NOTE 2016-1

おでん 1/7

 患者さんに「おでんの◯◯」を食べるようにと話すことがあります。 例えば、ゆで卵、ごぼ天のような揚げかまぼこ類、ふかしなどです。
 なぜ、煮しめや煮物ではないのかというと、 煮しめは野菜・椎茸・こんにゃくが基本で、卵やすり身などのような動物性のものは入れません。 そして、煮物は大抵砂糖が使われます。 なので、砂糖抜きでだしとみりんで煮て食べてほしい時におでんと言っています。

 おでんのゆで卵は大腸の動きをよくしてくれます。 ごぼ天などの揚げかまぼこ類とかにしんじょうは脳の老化予防になります。 そして、ふかしはダイエットに効果があります。
 ちなみに、おでんのゆで卵は固ゆで卵の安全な食べ方の2つめです。ラーメンの味付け卵も同じです。

 練り物と言っても食べないものがあります。 それは「ちくわぶ」です。これは魚ではなく小麦粉の練り物です。
 おでんの場合は大根を入れるので美容と健康のために昆布だしにします。 この昆布だしと小麦粉の組み合わせで体に悪い成分ができるのでたべません。 <小麦粉+昆布だし>という組み合わせは、関西のうどん、明石焼きでも同じです。

トップへ | 目次へ

水素水 1/14

 昨年末の紅白歌合戦で一番楽しみにしていたのが星野源さんの出演です。 くも膜下出血という大病を克服しての大活躍で本当に良かったです。 実はあのニャンちゅうの「せつないのうた」の作曲は星野さんでした。

 「せつない」という感情は呼吸器系の免疫力を高めてくれます。 一方、消化器系の免疫力を高めてくれるのが「いとおしい」という感情ではないかと考えています。 泣いている子供を見るとなんとかしてあげたいという気持ちです。

 先日、ある健康番組で、「水素水」の素晴らしさを紹介していました。 水素水は活性酸素を水に変えてしまう魔法の水で、 その効果を示す事例としてアトピーの女性が水素水のお風呂に入ると症状がなくなり、入るのをやめると再びアトピーの症状が出現したということでした。
 宣伝としては逆効果です。 症状を抑え込む力はかなり高くても、全ての病気を根本的に治す魔法の水ではないということです。 逆に、水素水を継続して使用すると異常の発見が遅れたり、中断によって病気が重症化するという危険性が推測されます。

 大腸の免疫力というのは非常に重要で、衰えると様々な成人病の原因となる活性酸素が増えてしまいます。
 大腸内では牛乳などの乳糖が腸内細菌に食べられ、水素が発生します。 水素水と比べるとわずかな水素ですが、逆にそれが良いのです。 水素水の様に強力すぎると簡単な痛みに麻酔を使うようなものです。

 牛乳は大腸の免疫力を低下させるので、代わりとしてお勧めするのはカルピスです。 「いとおしい」という気持ちがよくわからないという人は、時々カルピスをどうぞ。

トップへ | 目次へ

みかん 1/21

 アメリカではみかんが「テレビオレンジ」という名前で売られています。 テレビを見ながら手でむいて食べられるということだそうです。

 日本の温州みかんは体に悪いので食べないように、食べてよいのは缶詰のみかんだと話してきました。
 缶詰のみかんは房の薄皮がありません。これは「塩酸」で溶かしてむけやすくして、「水酸化ナトリウム」で中和しているのです。 こういう工程でみかんの毒が消えていると思っていたのですが、そうではなくてみかんの房の薄皮自体が毒だったのです。 実際、薄皮をすべてきれいに取り除くと何も問題のない食べ物です。

 オレンジと呼ばれるものは大きく3種類に分かれるそうです。 スイートオレンジ(カリフォルニアのバレンシアオレンジなど)、サワーオレンジ、マンダリンオレンジです。 日本の温州みかんやオーストラリアの手でむけるオレンジはマンダリンオレンジの仲間です。
 スイートオレンジとサワーオレンジは薄皮を食べても問題ありませんが、マンダリンオレンジはどれも薄皮は毒になります。

 みかんの薄皮のどんな成分が毒になるのかは分かりませんが、 東洋医学で言うところの腎気(先天の気)を減らすことは間違いないと思います。 元気な若者は食べても問題はないでしょうが、妊婦さんだと子宮の気も減ってしまいますし、 消化器の悪性腫瘍の方ですと腹水が溜まりやすくなるかもしれません。

トップへ | 目次へ

青梗菜 1/28

 ロイテリ菌はヒトの母乳で育つ乳酸菌です。虫歯予防に効くといわれるロイテリ菌ですが、 それ以外にも人間の健康に役立つ成分をいろいろ作ってくれます。 腸内にロイテリ菌が沢山居てくれたら、毎日20品目なんて食べる必要ないと思います。

 微生物が縄張り争いのために、ほかの微生物をやっつける物質があります。 これを利用したのが抗生物質です。
 母乳を飲む赤ちゃんの時期が終わり、牛乳を飲み始めると簡単にロイテリ菌は減ってしまうようです。 牛の乳に住み着く菌の天然の抗生物質でロイテリ菌はやられてしまうのかもしれません。 ロイテリ菌のヨーグルトやロイテリ菌入りの錠剤はありますが十分な効能がないのは、そういうことが関係しているのでしょう。

 また、ロイテリ菌を攻撃する菌は他にもあります。麹菌です。
 まつやの「とり野菜みそ」は美味しいのですが、米麹が使われておりロイテリ菌を減らしてしまいます。 そのため、この商品を使う際は人参を入れなければいけません。 同じように冬に美味しい「粕汁」はロイテリ菌を殺す物質以外にアレルギーの原因になる物質も含んでいるので、 必ず人参は入れます。 もちろん、どちらも人参は食べません

 ロイテリ菌を増やすには青梗菜の根もとの部分が良いと思います。 加熱しすぎないのがポイントです。

トップへ | 目次へ

輸入肉 2/4

 アメリカとメキシコの牛肉はプリオン病を引き起こすのではないかという不安があります。 牛の危険部位を取り除いて輸入されているのでかなり危険性は減っていると思います。
 しかし、プリオンタンパクに感染している末梢神経が含まれている料理を食べたとしたら、 異常なこのタンパクは酵素で分解されず比較的簡単に神経系に到達できるようです。 患者さんを診ていて感染の危険はゼロではかもしれないと感じています。

 また、アメリカとメキシコの牛肉や豚肉・鶏肉には複数大量の成長促進剤が使われており、これがかなり人間の健康に良くないと言われています。 今現在では輸入肉においては、こちらの方がより多くの日本人の健康を害しています。
 外食ではどのような肉が使われているか分かりません。 外食で肉を食べたときは低糖低脂肪の「朝のヨー」で成長促進剤の解毒です。

トップへ | 目次へ

ナタデココ 2/11

 いまだに甘酒や塩麹など発酵食品のブームが続いていますが、生きた酵母菌をからだに入れることは危険なことです。

 アメリカのある男性はお酒を飲んでいないのに酔っ払っている状態だったそうです。 病院での検査の結果、腸内に酵母菌が蓄積してお腹でビールが作られているということが判明しました。 彼は自宅でビールを醸造していたためそのようなことになったようです。

 酵母菌といっても沢山の種類がありますが、すべてが安全というわけではありません。 それに相性というものがあります。相性の悪い菌を摂り続けることで癌を発症させるということもあるかもしれません。 また、菌と食材との相性もあると思います。 病原性が高くなっていると感じるのは海鮮キムチ、豆乳ヨーグルト、マスカットなどです。

 これらの食品を食べたときはナタデココを食べると良いと思います。 ヨーグルトの中にナタデココが入っているものがありますが、あれは効果がないので、 別々に買って食べるときに混ぜてください。

トップへ | 目次へ

白髪と薄毛 2/18

 白髪が増えると月に一度は染めに行かなくてはならなくなります。 美容院はカットよりもこういう毛染めで売り上げがあるんだなと実感します。 しかし、それに伴い毛染めによるアレルギーを発症する人が増えているのも事実です。

 先月、高齢女性の薄毛や白髪の解明に関する論文が発表されました。 それによると、髪の毛包部のDNAが損傷し17型コラーゲンが酵素で分解されてしまうため、 薄毛になったり白髪になったりするらしいということです。

 コラーゲンというのは30種類ぐらい発見されているのですが、そのうちⅠ型~Ⅳ型がほとんどを占めるそうです。 そういう事からも17型コラーゲンというのは少数派です。

 薄毛・白髪の薬膳では2つの考え方があると思います。 ひとつは毛包部の遺伝子を修復する薬膳、もうひとつは17型コラーゲンを補う薬膳。 今回考え出したのは遺伝子を修復する薬膳です。

 その薬膳は「唐揚げの甘酢漬け」です。 唐揚げをオタフクの「らっきょう酢」で15分漬けたものです。他のらっきょう酢では効果はありません。

トップへ | 目次へ

菜の花 2/25

菜の花のちらし寿司

 R-1ヨーグルトが有名になって数年経ちますが、リウマチ、癌、不妊、便秘など色々なものに効くのではないかと 勘違いしている人が多いようです。R1はそんなものには効きません。 それどころか蕁麻疹が起きやすいですし、口腔に常在すると顔のコラーゲンは減って老け顔になります。

 口腔の悪玉乳酸菌を減らすのに良いのは菜の花です。

トップへ | 目次へ

みりん 3/3

 みりんというのは「本みりん」と「みりん風調味料」に分かれます。 本みりんはもち米で作ったお酒です。 一方、みりん風調味料は、1%未満のアルコールにうま味調味料や糖分を加えたものなので酒屋以外でも販売されています。

 みりん風味調味料はものすごく体に悪いものですが、本みりんも体に悪いものです。 それはもち米で作るからだと考えていたのですが、そうではなくホワイトリカー(甲種焼酎)を使っていたからということがわかりました。

 体に良いみりんがあります。「九重櫻」や「三州三河みりん」という商品です。 これらは昔ながらの製法で本格焼酎(乙種焼酎)を使っているということでした。

 日本酒は体に良いものですが、昔ながらの本物のみりんも別の働きをする良いものです。 シュガーカットほどではありませんが、上池の水の働きをします。 シュガーカットを使うのは抵抗があるという人は、せめてみりんは本物をどうぞ。

トップへ | 目次へ

コラーゲン 3/10

 以前はコラーゲンを食べても酵素でアミノ酸に分解されるので、直接肌のコラーゲンを増やすことにはならないというのが定説でした。 しかし近年の研究ではアミノ酸がつながったペプチドという段階で吸収され、コラーゲン線維を作る細胞に到達し活性化しているということが解り始めました。

 コラーゲンには他のたんぱく質にはない「ヒドロキシプロリン」というアミノ酸が含まれています。 このヒドロキシプロリンがあるために酵素分解されにくく、ペプチドのまま小腸から吸収されます。 なので他のたんぱく質よりも、やはりコラーゲンを食べた方が体内のコラーゲンを増やす可能性が高いというわけです。

 吸収されやすくて効果が出せるのはヒドロキシプロリンにプロリンがつながったペプチドです。 低分子コラーゲンとかコラーゲンペプチドという表現で美容補助食品になっています。 こういう補助食品は吸収は良いのですが、線維芽細胞の刺激はそれほどは期待できません。 料理と違って必要なミネラルなどが足りていないからです。

 まず、良質なコラーゲンと必要なミネラルの両方を含んでいるのは鶏肉です。 鶏肉は普通に煮たり焼いたりすると消化されやすくなって十分な量のペプチドが得られません。 反対に昆布だしで煮ると消化されにくくなり、これもまた十分なペプチドを得ることはできません。

 おすすめの料理は「鶏団子鍋」です。白菜を入れると消化され過ぎず、 白ネギと豆腐を加えれば昆布だしを使っても固くなりすぎず、最も多くペプチドが得られます。

トップへ | 目次へ

花見にピタパン 3/17

 成熟した神経細胞は分裂できませんが、未分化の神経幹細胞は老人になってからでも分裂して増えることができます。 その細胞分裂に必要な物質は沢山あるのでしょうが、ビタミンB12とアラキドン酸は食事から摂らなければいけない重要なものです。

 ビタミンB12は唾液に含まれるハプトコリンと結合して分解されないように腸まで運ばれ、次に胃の内因子と結合して吸収されます。 胃が健康な人でも吸収率は50%程と言われています。 でも、大切なビタミンB12はできるだけ多く吸収したいものです。

 ビタミンB12を含む食材と一緒に摂りたいのは<トマト+バジル>です。 <トマト+バジル>は花粉症の予防にも役立ちます。 細胞分裂のイメージでピタパンに詰めてみました。

トップへ | 目次へ

酵素 3/24

厚揚げのみぞれ煮

 患者さんから時々「酵素を摂ったほうがいいのでしょうか?」という質問を受けます。 もちろん摂る必要はないと答えるのですが、酵素をサプリメントとして摂ることの意味が全くわかりません。

 人間の体内で作られている酵素は大きく分けると「消化酵素」「代謝酵素」の2種類ですが、 細かく分けると数万種にも及ぶそうです。
 アミラーゼという消化酵素は人間も植物も麹カビも作りだすことができます。 唾液ではプチアリン、大根はジアスターゼ、麹カビはタカジアスターゼといって微妙に違う物質です。 同じアミラーゼの仲間なので同じような作用はしますが、植物や微生物の酵素が人間の酵素になるということはありません。
 植物や微生物の酵素は調理の過程でこそ役立つものです。

 それに生野菜や果物に含まれるビタミンやミネラルなどの補酵素は体内へ吸収されますが、 酵素というのはたんぱく質なので高温調理では力は失われますし、 生食でもアミノ酸やペプチドに分解されてしまうので酵素という形で吸収されることはありません。
 更に言えば、たんぱく質なのでアレルギーの原因にもなります。

トップへ | 目次へ

春につぶコーンスープ 3/31

 肌のゴールデンタイムというのは成長ホルモンが分泌される睡眠時間のことですが、 春から夏にかけては更に成長ホルモンが多く分泌されるときなので、 これからの季節は肌の回復に大事な時期です。

 表皮の底には表皮のもととなる基底細胞が一面に敷き詰められています。 基底細胞が分裂をして徐々に表面に移動していくことによって、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)が行われます。 成長ホルモンが分泌されるときに、この基底細胞の分裂も活発になると言われています。

 しかし、成長ホルモンの受容体というのは筋肉や肝臓、真皮の線維芽細胞など体の色々なところにあるのですが、 表皮の基底細胞には無いと言われています。 つまり、肌の生まれ変わりは成長ホルモンの間接的な影響を受けているということになります。 肝臓や真皮からの刺激もあると思いますが、私は筋肉からの影響が最も大きいのではないかと考えています。

 骨格筋が分泌するホルモン様の生理活性物質を総称してマイオカインといっています。 30種類程もあリますが、それぞれ別の物質ですし、どんな働きをするのかも分からないものが多く、まだはっきりしていないという状況です。 その中でも健康に重要と思われるものは、脂肪を燃焼するマイオカインと肌を若返らせるマイオカインだと思います。

 マクマスター大学のターノポルスキー教授らの研究によると、1日30分の有酸素運動をしてもらったところ 65歳以上の人でも肌の表皮、真皮ともに若返っていたということです。 運動をしたあとで「IL-15」と呼ばれる物質の血中濃度が上昇していたということで、 これがターンオーバーを促進させ肌を若返らせるマイオカインなのかもしれません。

 筋肉を刺激して肌を若返らせるマイオカインの分泌を促進してくれそうなのは「コーン入りコンソメスープ」です。

トップへ | 目次へ

紅ショウガ 4/7

 お弁当のおかずに定番の卵焼きですが、これに紅ショウガを加えると皮下脂肪を燃焼させるマイオカインの分泌を助けてくれます。

 以前、筋肉から放出される脂肪を燃焼させる物質はイリシンだとかIL-6だとかいう研究結果がありましたが、 現在ではそれは否定されているようです。 筋肉から放出される脂肪燃焼のマイオカインは”乳酸”です。

 乳酸は昔は筋肉疲労の原因物質と言われていましたが、現在では筋肉疲労の原因は筋肉を酸性に傾ける水素イオンと言われています。 乳酸はむしろ成長ホルモンの分泌を促して、筋肉の増大や脂肪燃焼を助けているということが分かってきました。

 若い時代、それほど運動しなくてもスマートで肌もきれいだったのは成長ホルモンの分泌が盛んだったからです。 歳がいくとそれは望めませんから色々な方法で成長ホルモンの分泌を促すわけです。 それでも、膝が痛かったりすると激しい運動はできません。そこで紅ショウガの卵焼きです。

 紅ショウガは私たちが子供のころに食べた本物の紅ショウガを使わないと効能がありません。 梅干しを漬けた残り汁で漬けた生姜です。紫蘇液で漬けた生姜でも構いません。 いつの間にか紅ショウガは着色した甘酢漬けが主流になってしまいました。生姜は酢に漬けると毒です。
 本物の紅ショウガがない時は、卵焼きと梅干しの組み合わせでも効果があります。

トップへ | 目次へ

エクソソーム 4/14

 ピロリ菌が胃がんを起こす原因は、ピロリ菌が出すCagAというタンパク質です。 ピロリ菌でもCagAを作るものとそうでないものがいるのですが、 日本人に感染しているピロリ菌はほぼCagAを作るタイプだそうです。

 また、ピロリ菌は脾臓の特発性血小板減少性紫斑病の原因にもなります。 そのように胃のピロリ菌感染が他の場所で病気を引き起こすメカニズムはよく分かっていなかったのですが、 エクソソームが関与しているのではないかという研究結果が今年1月に発表されました。

 からだの中の細胞は隣り合う細胞と情報交換しながら過ごしています。 それだけでなく遠く離れた細胞とも情報交換をします。 その1つがエクソソームのやり取りです。
 細胞はエクソソームと呼ばれる小さな玉を放出します。 エクソソームの表面には脂質二重膜があり、元の細胞由来の膜蛋白や抗原、糖鎖なども盛り込まれているようです。 そしてこの玉の中に入っているものは、核酸(microRNAやmRNA)やたんぱく質など色々です。

 エクソソームは癌の転移だけでなくアルツハイマー病やプリオン病を引き起こす蛋白も 運んでいるのではないかと言われています。
 今はピロリ菌はいないけど、かつて感染していたという人はすでに悪いタンパクを全身にばらまいているかもしれません。 取りあえず厚揚げの煮物を入れたおにぎりをお勧めします。

トップへ | 目次へ

食後の眠け 4/21

 中高年になると春の眠けだけではなく、食後も異常に眠くなります。 あくびの出る眠けではなく落ちるような眠けです。

 食後の眠けにはいくつかの原因があります。
 ①胃腸に血液が集まり脳への血流が低下する。
 ②副交感神経が優位になる。
 ③頸動脈に動脈硬化があると脳の血流量を上げる為のセンサーが働かない。
 ④満腹感があると満腹中枢の近くにある睡眠中枢を刺激する。

 老化による食後の眠けは③④になりますが、落ちるような眠けは④によるものだと思います。 睡眠中枢があるあたりの脳細胞が老化すると満腹感の刺激に反応しやすくなっているのかもしれません。

 組織の老化というものは糖質が関係していることがほとんどですが、 睡眠中枢周辺の老化を早めているものは洋食に多い悪い糖質が関係していると思います。 脳を若返らせて食後の眠けを改善するには、ゆで卵にわさびの組み合わせです。 ゆで卵は小腸の健康のために半熟にするか味付け卵を使って下さい。

トップへ | 目次へ

キムチ 4/28

 今回は患者さんの要望でキムチの話です。

 発酵食品というのは酵母菌を利用した食品です。 酵母菌が増える環境では真菌やカビなど他の雑菌も増えることがあります。 そのために塩や唐辛子などを使用して雑菌の繁殖を抑えるのですが、 味噌や醤油では塩分に強い雑菌が生き残り、キムチでは唐辛子に強い雑菌が生き残ります。

 そのためキムチは雑菌が少ないものを選ばないといけません。 以前は川越シェフの写真が付いているキムチを買っていたのですが、いつも行くスーパーでは 見かけなくなったので、最近は同じピックルスという会社の「ご飯がススム」か東海漬物の「こくうま」を買っています。

 キムチあるいはキムチの素というのは、香辛料の問題児であるニンニク、生姜が入っていますが、沢山の唐辛子が 加わり三つ巴になって疲労回復に役立つものになっています。 中華の調味料にも唐辛子が効いたものがありますが、キムチの方が健康には良いと思います。

トップへ | 目次へ

ペンネ アラビアータ 5/5

  サンデーローストの4日目水曜日はローストビーフの最後をみじん切りにしてトマトと唐辛子を加えて ペンネ・アラビアータにします。
 <ペンネ+ローストビーフ>になるとアルギニンというアミノ酸を補う薬膳になります。 また、<ペンネ+トマト+唐辛子>は潜伏しているヘルペスウイルスを減らしてくれます。

 アルギニンには優れた様々な効能があります。 まず、糖化抑制作用により脳の老化、糖尿病、動脈硬化の予防に役立つといわれています。 また、筋力増強効果があるので、老年期のサルコペニア(加齢による筋肉量減少)予防にも良いと思います。 更に、肝機能の正常化にも役立ちます。

 アルギニンは様々な食材に含まれていて決して珍しいものではないのですが、 それでも不足しやすいのは消化吸収の効率が悪いからです。多分難消化性の蛋白として食材に含まれているのでしょう。 それで、最も効率よくアルギニンを摂れるのがローストビーフとの組み合わせです。

 ところで、水曜日 Wednesday の語源は戦争や知能などを司る北欧神話の最高神 Odin(英 Woden)から来ており、 Odin という言葉は「怒り」という意味だそうです。
 東洋医学では肝気が高ぶって怒りっぽくなった状態を「肝火上炎」と言います。
 また、イタリア語のアラビアータというのも「怒りん坊」という意味です。

 ローストビーフを使ったペンネ・アラビアータは辛さで顔が赤くなっても アルギニンの作用で肝火を鎮めてくれるので、水曜はペンネ・アラビアータです。

トップへ | 目次へ

ビタミンB1 5/12

 ビタミンB1は夏のシミ予防には絶対必要な栄養素です。
 日光を沢山浴びると活性酸素が発生します。 活性酸素はチロシナーゼという酵素を活性化させ、メラニン色素を大量に作りださせて紫外線などから肌を守ります。 肌の基底細胞が健康でターンオーバーが順調であれば、このメラニン色素も簡単にはシミにはなりません。 でも、基底細胞が老化したり健康でなくなると日焼けからシミになることがあります。

 基底細胞の老化の第一は、過剰な糖がたんぱく質と結び付く糖化です。 ビタミンB1は糖の分解を助けてシミを予防します。また、抗酸化作用があり活性酸素を減らすこともしてくれます。
 また、ビタミンB1は疲労回復にも効果があり、あのニンニク注射の主成分はビタミンB1です。

 ビタミンB1は硫化アリルを含む野菜と合わせると吸収が良くなります。 豚肉の場合はニンニクを組み合わせますが、厚揚げの場合は小葱を組み合わせます。 厚揚げは焼くとビタミンB6とB12は摂れますがB1は摂れなくなるので、シミ予防の場合は煮物です。

トップへ | 目次へ

アディポネクチン 5/19

 アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される善玉たんぱく質で『超善玉ホルモン』などと呼ばれるものです。 働きとしては糖尿病や動脈硬化の予防などがありますが、最も興味深いのはインスリンを使わないで 運動した時と同じように筋肉で糖を消費する作用です。

 脂肪細胞で作られる物質であるにもかかわらず、肥満になると逆に分泌が減ってしまいます。 同じ脂肪細胞から分泌される悪玉のアンギオテンシノーゲンなどは増え続けるため、 悪玉の物質によってアディポネクチンは分泌が抑制されている可能性があります。

 脂肪細胞からアディポネクチンを分泌させる薬膳は練乳とパンの組み合わせです。 練乳のガラクトースと小麦のグルテンによる効能だと思います。

 ガラクトースというのはブドウ糖と同じく単糖類ですが、この単糖のまま自然界で存在することはほとんどありません。 ガラクトースが2つ繋がった乳糖(ラクトース)という形で牛乳や母乳に含まれています。
 ガラクトースは別名、脳糖と言われるように脳の発達には必要な糖質です。 赤ちゃんは乳糖分解酵素があるので乳糖をガラクトースやブドウ糖に分解して栄養にしています。
 大人は乳糖分解酵素がない人がほとんどなので牛乳とパンでは効果がありません。 乳製品の中で一番ガラクトースを多く含むのが練乳だと思います。

 練乳はそのままジャム代わりにパンに塗っても構いませんし、マヨネーズに混ぜてサンドイッチやハンバーガーのソースにしても構いません。

トップへ | 目次へ

四季折々 5/26

 コエンザイムQ10(ユビキノン)は細胞の色々なところに存在する補酵素です。 ミトコンドリアの中ではエネルギーを作りだすために必要なものですし、 抗酸化作用があるので細胞の老化を防ぐ働きもしています。
 不足すると代謝が低下して、冬には足腰の冷え、 梅雨にはむくみ、夏には倦怠感、秋には肌荒れなど、四季折々に不調が表れます。

 このように重要なコエンザイムQ10は、40歳代以降急速に減少するといわれています。 原因は体内で生合成する能力が20~25歳をピークに低下していくこと、 腸からの吸収率が5%と低い上に中年になると腸も老化し、食事から取り入れることが難しくなるからです。

 コエンザイムQ10が入ったハンドクリームなどはそれなりに意味があると思いますが、 サプリメントではいずれも食事以上に吸収されるような感じはありませんでした。

 コエンザイムQ10を含む食材はいろいろありますが、緑茶にとても多く含まれています。 しかし、緑茶にはエピガロカテキンやタンニンという毒も含まれているということと、 吸収効率が悪いということも加味すると豆腐がベストだと思います。 なかでもロングライフ豆腐が普通の豆腐よりも良い感じです。 但し、これにも良い豆腐と悪い豆腐があるので、今のところさとの雪の商品なら大丈夫です。 コエンザイムQ10は脂溶性なので牛肉料理などと一緒に摂るのが効果的だと思います。

 紙パック入りの豆腐とは別に、長期保存ができる冷凍豆腐があります。 豆腐は冷凍すると見た目も味も変わってしまいますが、商品の冷凍豆腐はトランスグルタミナーゼが添加されており、きれいなままです。 これはアレルギー体質にする可能性がある悪いものです。

トップへ | 目次へ

タコパ 6/2

 お好み焼きソースやたこ焼きソースはものすごく体に悪いものです。 アレルギー体質や痩せない体質にしてしまいます。 だけどソース自体で蕁麻疹を起こしたりしないかぎり、知らずに食べ続けることになります。

 原因は糖質だと思います。ウスターソースやデミグラスソースなどのブラウンソース類は同じように「悪い糖」を含んでいると思います。
 原因はスターアニス(八角)とクローブ(丁子)という香辛料だと思います。 お好み焼きソースを含めウスターソース系の香りはクローブによるものです。

 「悪い糖」は外敵を発見して細胞内部に伝達する経路のどこかを障害させて アレルギー体質にするのかもしれません。

 そのためこれらのソースを買うことはなかったのですが、最近それらを安全に食べる方法を見つけました。 ソースを1日冷凍室に入れ、その後冷蔵室に入れておくだけです。発見して数日間はタコパでした。

トップへ | 目次へ

豚肉のレモン焼き 6/9

豚肉のレモン焼き

 生姜焼きは学生や働き盛りの男性に人気のメニューですが、食べ過ぎると脳に気滞ができます。 生姜と豚肉・鶏肉の組み合わせで弱い神経毒性のある物質ができるのではないかと思います。
 頭が悪くなって学業や仕事の成績に影響が出ても困ります。 生姜焼きに変わる頭を悪くしない肉料理を考えました。

 生姜の代りにレモンの皮を使った「豚肉のレモン焼き」です。 果肉ごとスライスして使っても構いませんが、皮に効能があります。

トップへ | 目次へ

ラベンダー&ローズマリーの香り 6/16

 昨日のテレビ番組を見ていたら、お風呂場の黒カビはこすってはダメだというのをやっていました。 ブラシでこすることによって傷がつき、そこがカビの足場になって増殖します。

 どんな商品も買ったばかりの頃は傷がなくカビは生えにくいものです。 でも、熱心に掃除をすればするほどほこりやカビが付きやすくなります。 微細な傷は雑巾やブラシなどの物理的な刺激だけでなく、消毒液やカビ取り剤などの科学的な刺激によっても起きてしまいます。

 お風呂場は50℃のお湯を掛けることはできますが、部屋の中や押入れなどは無理があります。
 フィトンチッドなどはカビや菌を寄せ付けない効果があります。 私のお勧めは、ラベンダー&ローズマリーの香りです。

トップへ | 目次へ

熱中症予防 6/23

 熱中症になると脳細胞の酵素が働かなくなり、重い場合は脳機能に何らかの後遺症を残します。 熱帯夜が続く真夏、若者でも朝目が覚めると体が動かないということがあります。 こうなると1か月ぐらい頭が呆っとしてすっきりしないということが起きます。

 熱中症の予防として夏のはじめはなるべくクーラーを使わないようにして暑熱順化を心がけています。 秋も同じで、冬に備えて風邪を引かない程度に寒さに体を慣らさせるというのが必要です。

 今の季節、暑熱順化を助ける食べ物は冷奴にきくらげです。

トップへ | 目次へ

コーヒー✕牛乳 6/30

体に良い乳飲料

 「牛乳飲んでいませんよね?」と尋ねると「牛乳は嫌いなので飲んでいませんが、 健康のために(コーヒーフレッシュではなく)コーヒーに少し牛乳を入れて飲んでいます」という感じで答える人が結構います。 これ、最悪です。普通に牛乳を飲むより体に悪いのです。

 2014年の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で発表された スウェーデン人10万6千人を11年から20年追跡した調査研究によると 牛乳や発酵乳製品を多く摂取している人ほど死亡率が高いということでした。 研究チームによるとその原因はガラクトース(脳糖)が老化を促進し寿命を縮めているということです。

 ガラクトースという糖は、単独では自然界にはほとんど存在しません。 グルコースと結合して乳糖(ラクトース)として存在します。 従って、乳糖をガラクトースとグルコースに分解する酵素を作れなくさえすれば、本来は体の中にはガラクトースという毒は入ってきません。
 欧米人はこの乳糖分解酵素を大人になっても作ることができる人が多いので、 日本人と比べると何倍もガラクトースの毒にやられてしまいます。

 しかし、乳糖分解酵素を作れない日本人でも意外とガラクトースの毒にやられている人が多いのです。 その1つはヨーグルトです。 乳酸菌の中には乳糖を分解してガラクトースを作りだすものが多いので、ほとんどのヨーグルトは危険なのです。 もうひとつはコーヒーや紅茶に入れる牛乳です。

 ロイヤルミルクティやカフェラテのように1:1程で混ぜると牛乳をそのまま飲んだ程度の毒ですみます。 しかし、牛乳の量が少なすぎると、コラーゲンを老化させる美容と健康に悪い飲み物になってしまいます。 多分、ポリフェノールのどれかが乳糖を分解してガラクトースができてしまうのでしょう。

 コーヒー、紅茶にミルクを足したいのなら、生クリーム、コーヒーフレッシュ、練乳の方がずっと安全です。
 そして、さらに驚きだと思うのですが、 一般に売られているコーヒー味の乳飲料は安全なものが多いのです。 生乳より脱脂粉乳の割合が高いからでしょう。

トップへ | 目次へ

2016年前半 目次

inserted by FC2 system