NOTE 2017-2

湿邪(しつじゃ) 2017/7/6

ココアゼリー

 7月になり本格的な梅雨になってきました。 梅雨時期の体のだるさの基本は湿気だと思います。 東洋医学では湿気による体調不良を湿邪(しつじゃ)と言います。

 気温も湿度も高い状態は大気中に水素イオン(プロトン、H+)が多くなっています。 大気中に水素イオンが増えると体内の気(電子、e-)が奪われて気虚(ききょ)になるのだろうと思います。

 この時期、気を補うためのおすすめはココアゼリーです。コーヒーフレッシュを掛けても大丈夫です。

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ミトコンドリアの体質 2017/7/13

 体質とは基本的には遺伝子の違いだと思います。 更に遺伝子といっても人間の細胞核遺伝子とミトコンドリアの遺伝子があります。

 ミトコンドリアの遺伝子の一部は人間の核に預けられていますが、重要な遺伝子はミトコンドリア内にあります。 その遺伝子は人間の遺伝子よりも約10倍も進化速度が速い、つまり変化しやすいことが知られています。
 人間のために忠実に働いてきたミトコンドリアが、SF小説のようにある日突然、寄生生物としての生き方に目覚めたら大変なことになります。 そのため人間の細胞は手を打ちました。

 精子に積まれたミトコンドリアはエンジン全開で卵子に向かいますが、卵子に入るとミトコンドリア遺伝子はミトコンドリアごと抹殺されます。 これはミトコンドリアの遺伝子が交配をして進化しないようにということと、 フル活動することによって発生した活性酸素により遺伝子が傷つき病的なミトコンドリアが発生するというのを防ぐ効果があります。

 そのようにしてミトコンドリアは母方からのみ引き継がれるということが守られているので、 母親と子供のミトコンドリアは同じですが、変化しやすいため他人と比べるとかなり違いがあるようです。
 ミトコンドリアの質によって、マラソンに強いとか糖尿病になりにくいとか言うだけでなく、寿命なども10年から20年ぐらいの差ができるのではないかと言われています。

 また同じような遺伝子タイプでも、ミトコンドリア内のたんぱく質の構造が悪いと 燃費が悪い上に活性酸素が増えてミトコンドリア自身がどんどん傷ついていきます。

 ミトコンドリアの体質改善には朝のYooが効果的と思います。 一部のカルピス味のキャンディも同様の効果があります。

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蒸しパン 2017/7/20

 最近、家族や親族を攻撃するタレントさんがいてとても気になっています。 昔も少し変わった人だとは思っていましたが、最近の言動は病的にも感じてしまいます。

 彼女たちを望診すると脳全体の気が滞っています。多分ポリフェノールに関係した気滞だと思います。

 ポリフェノールは1種類と思っている人もいますが、5,000種以上もあります。 植物にしかなく、苦み、香り、色素などの成分となります。

 ポリフェノールが体に良いと思いこんでいる人がほとんどですが、あれは植物のためのものであって人間にとっては基本毒と考えて良いと思います。 カカオポリフェノールのようにたまに健康に役立つものが存在します。

 ポリフェノールには大きく分けてフラボノイド系とフェノール酸系がありますが、ほとんどがフラボノイド系だそうです。 危険なフラボノイドを含んでいると思われるものはリンゴ、大豆、大根、生姜、昆布だと思います。

 これらを食べていても問題がでない人もいます。 それは脳に必要な栄養素が足りているためフラボノイドに負けないのでしょう。

 フラボノイドに負けない脳にするために時々食べた方が良いのは蒸しパンです。

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ペットボトル症候群 2017/7/27

 清涼飲料には異性化糖(高フルクトースコーンシロップ)というものが甘味料として使用されています。 異性化糖の材料はとうもろこしです。

 まず、でんぷん(コーンスターチ)を酵素分解して100%ブドウ糖(コーンシロップ)にします。 そのままでも良さそうですが果糖(フルクトース)の方が甘味が強いので一部を酵素で果糖に変えます。 果糖の割合が多い順に「高果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」などの表現で商品に記載されています。 果糖は温度が低い方が甘味が強くなるので主に清涼飲料に使われています。

 果糖は脳の栄養にはならず、ブドウ糖より10倍糖化を起こしやすいという毒性があります。 そのため速やかに肝臓で中性脂肪合成に回されます。 果糖は炎症物質によって肝臓を傷つけ、非アルコール性肝炎、脂肪肝、糖尿病、脂質代謝異常を引き起こします。
 果物には食物繊維などもあり清涼飲料ほど急速に吸収されませんが、食べ過ぎると同じ事が起きます。

 しかし、異性化糖は単に果糖が悪いというだけでなく、 とうもろこし由来であるということでブドウ糖も果糖もより毒性が強いのだと思います。 クッキーや焼きとうもろこし、コーン油での料理も清涼飲料と同じ悪い糖の反応があるので、 こういうものをとにかく体に入れないということが大切です。

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バスタオルは何日使うか 2017/8/3

 時々、「バスタオルは何日使い続けるか」という話題がテレビで取り上げられます。
 あるとき出演していた微生物の専門家の話をまとめると「1回使っただけで菌はものすごく増えるが、 自分の肌に常在している菌が主なので病気を起こすことは少ない。でも、何日も使うと臭いので人に嫌われる」 ということでした。

 確かに自分の常在菌だけなら問題なさそうですが、実際はそうではないから困るのです。
 洗濯槽のカビが洗濯物に付いて、洋服を着たりタオルを使っているときにカビを菌糸ごと吸い込むことになりカビアレルギーになる危険が高くなります。 また、生乾き臭の原因菌も湿気があると再び増殖します。
 こういうカビや生乾き臭に対しては、適切な洗剤や柔軟剤を選ぶことで多くは解決します。

 しかし根本的な話、バスタオルは必要なのでしょうか。いつから日本人はバスタオルを使うようになったのでしょうか。
 大きなタオルは重いし扱いにくいし細かいところも拭きにくい。フェイスタオルを2枚使って毎日洗濯した方がずっと気分が良いと思います。

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合成界面活性剤 2017/8/10

 

 界面活性剤というのは本来溶け合わないものの間を取り持って溶けたような状態(乳化)にさせる物です。 その力が洗剤に利用されています。

 毒性が強く避けなければいけないのは、パーム油(ヤシ油)を使った植物由来の洗剤と 石油系の第四級アンモニウム塩を使った柔軟剤やコンディショナー、 微生物の力で糖を発酵させて作る洗浄剤(高級アルコール)などです。

 石油系の洗剤が体に悪いと思って「植物性洗浄成分」とか「石油系合成界面活性剤不使用」 という表示を選んでいる方もいるかと思いますが、こういう商品の方が危険性は高いです。

 パーム油のパルミトレイン酸は食べても毒ですが肌に付けても毒です。 固形石鹸も多くはパーム油を材料としているので安全というわけではありません。

 また、パーム油には他にミリスチルアルコールという成分があり界面活性剤を助ける洗浄剤として使われています。 これが経皮毒性を高めているのではないかと思います。

 パーム油はアブラヤシの実から取れます。アブラヤシのほとんどはインドネシアとマレーシアで栽培されています。 安価なため食品や洗剤にどんどん使用され、それに伴い天然林はパームのプランテーションに変えられていきました。 それだけではなく栽培では野焼きをするため森林火災も発生しています。 現在オイルパームプランテーションは地球規模の深刻な問題です。

 「植物性」が人に、環境に良いと思って洗剤を選んでいた人は逆に地球破壊に加担することになっていたのかもしれません。

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両足先の痺れ 2017/8/17

 高齢者のなかには両足の痺れを訴えられる方がいらっしゃいます。 糖尿病や代謝異常など明らかな病気もない場合は和食が原因かもしれません。 この症状40代でも親指の痺れから始まっていることがあります。

 和食は世界文化遺産になりましたが、健康に良いことばかりではありません。 和食の中で今回の痺れと関係があるのは「みりん」と「野菜の酵素」だと思います。

 紫蘇ジュースは体に悪い飲み物です。作るときにクエン酸を加えますが、これが赤紫蘇のシアニジンという色素を分解して毒を作るからです。 クエン酸の代りにレモン汁を使えば問題ありません。

 紫蘇ジュースと同じ反応のものがあります。ひとつはミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)を使った茄子の漬物です。 もうひとつは甲種焼酎です。ホワイトリカーやそれを原料に作ったみりんも同じです。

 この毒の正体は硫酸だと思います。脳を含め神経系統に気滞ができます。 この中で一番毒性が強いのが茄子の漬物です。 茄子など野菜のフラボノイドと抱合体を作って神経周囲の結合組織を障害させているのではないかと思います。

 野菜や果物を食べたときフラボノイドは糖とくっついて配糖体の形になっていることがほとんどです。 小腸の絨毛上皮で加水分解を受けてフラボノイドと糖は別々に吸収されます。 吸収されたフラボノイドは血液中では他の物質と一緒に抱合体という形になります。 代表的なのはグルクロン酸抱合体や硫酸抱合体です。 硫酸抱合体を促進する酵素がありますが野菜の酵素がペプチドレベルで吸収されたものが関与しているのではないかと推測しています。

 最近はミョウバンは料理にはほとんど使われなくなったと思いますが、 みりんは多くの家庭で使われていると思います。 <野菜+みりん>の毒で少しずつ脳や末梢神経は傷んでいます。

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ビタミンE 2017/8/24

 ビタミンEには、大きく分けてトコフェロールとトコトリエノールとがあって、 それぞれα、β、γ、δの種類に分かれるので計8種類になります。

 このトコフェロール(Tocopherol)はラットの妊娠に必要な物質として発見され、 ギリシャ語のTocos(子供を産む)とphero(力を与える)にol(水酸基を持つ化合物)を組み合わせて名付けられました。 最初に発見されたのがこのαトコフェロールだったこともあり、 一般にビタミンEと言えばαトコフェロールを指しますし、サプリメントのビタミンEの主成分もαトコフェロールです。

 ビタミンEをサプリメント(αトコフェロール)で補っている女性もいますが、 効いている感じはしません。それどころか脳や関節に酸化による気滞ができています。 特にδトコフェロールが多い大豆油、アーモンドを摂り過ぎるのは危険です。

 最近の研究ではトコフェロールには抗酸化作用はほとんどなく、 抗酸化作用、LDLコレステロール抑制作用のいずれもトコトリエノールが勝っていたということです。
 ビタミンEは脂溶性なので長く体に留まるためサプリメントを取り続ければ認知力の低下や関節症を起こすかもしれません。

 αトコフェロールはラットには必要なビタミンEだったかもしれませんが人間に必要なビタミンEはトコトリエノールです。

 トコフェロールはナッツ類や植物油に多く含まれていますがトコトリエノールはラードに多く含まれています。 また、体内のトコフェロールとトコトリエノールを交換するにはハインツのホワイトソースあるいは 雪印のバターを使った手作りのホワイトソースです。

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シードルゼリー 2017/8/31

シードルゼリー練乳掛け

 アメリカのミシガン大学医学校の研究では、 内臓脂肪や皮下脂肪から分泌されるアディポネクチンよりも遥かに多い量のアディポネクチンが、 黄色骨髄で生産されていることが明らかになっています。

 豚骨スープが白いのは脂肪と水が乳化しているからで、黄色骨髄から溶け出したゼラチンが乳化剤の役割を果たしているということです。
 豚骨スープではアディポネクチンの代りにはなりませんが、 シードルゼリーに練乳を掛けるとアディポネクチンの代りになるかもしれません。

 アディポネクチンはダイエットの為だけでなく動脈硬化の改善にも役立ちます。 夏の間に一度はシードルゼリーをどうぞ。

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豚肉の食べ方 2017/9/7

 豚肉には牛肉や鶏肉と違った毒があります。 皮下脂肪内のセルロース由来の糖、コラーゲン組織内のフラボノイド、筋肉内のD-グルタミン酸ナトリウムだと思っています。

 牛と違って豚の場合は雑食で消化吸収も雑なのかもしれません。 植物のセルロースも微生物でしっかり分解されれば大丈夫なのですが、豚の場合はオリゴ糖レベルで吸収されるのが多いのでしょう。 この糖やフラボノイドは体を老化させる程度ですが、D-グルタミン酸ナトリウムは神経毒性があり痩せにくい体質にします。 また、血液脳関門を通過するので脳にも影響が出ます。

 豚肉を食べないという選択肢もありますが、豚肉には善玉のビタミンEがあります。 脂肪組織の酸化を防いで蓄えてあるビタミンDを利用するには豚肉はとても良い食材なのです。

 豚肉を塊のまま焼いたり蒸したりすると毒は全てその中に閉じ込められてしまいます。 これらの毒を食べなくて済む調理法は豚しゃぶですが、グルタミン酸をグルタミンに変え脳の働きを良くする薬にする調理法があります。

 1つめは薄切り肉を厚揚げと一緒に煮ます。
 2つめは牛肉と合わせて合びきにしてキーマカレーにします。
 3つめは豚肉に小麦粉や片栗粉をまぶして八宝菜や酢豚などにします。

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なぜ脳糖という毒が必要だったのか 2017/9/14

 牛乳や人間の母乳にはガラクトース(脳糖)という毒が含まれています。 なぜでしょうか。脳の発達時期に必要だったのでしょうか。 もしそうだとすれば胎児期にも必要でしょうし大人の脳の修復にも必要なはずです。 しかし、実際はそのような事はないのです。

 牛乳に砂糖を加えて人肌程度に温めると牛乳のたんぱく質は糖化を起こします。 しかし、砂糖を加えずそのまま温めても牛乳の乳糖がたんぱく質を糖化するということはありません。 つまり、ガラクトースは単独では特定のたんぱく質を糖化させ、寿命を縮めてしまう毒になりますが、 ブドウ糖と結合し乳糖となることで糖化しにくい糖になるということではないでしょうか。 母乳に含まれるたんぱく質を糖化させずに赤ちゃんに与えるためにはガラクトースという毒が必要だったのです。

 第二次成長期に牛乳を飲むと背が伸びやすくなります。 脳糖とδトコフェロールを体内に入れずに成長促進成分を得るには顆粒シチューの素と牛乳を使ったシチューです。

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細胞外マトリックス分解酵素 2017/9/21

 細胞外マトリックスは様々な物質が加わって複雑な網目状を形成します。 材料となる主なものにはコラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸などがあります。

 細胞外マトリックスは骨と同じように少しづつ作り直されています。 壊されるときに働く酵素が細胞外マトリックス分解酵素(MMP)です。コラーゲン分解酵素もこれに含まれます。
 コラーゲンなど細胞外マトリックスを作る力は年々衰えますが、細胞外マトリックス分解酵素は減っていくということはないそうです。 細胞外マトリックス分解酵素がむやみに活性化しないようにする抑制因子も体の中には作られているのですが、 それが年齢と共に減っていく可能性があります。

 抑制因子が働くようにするためにバンホーテンココアにキーコーヒーのコーヒーフレッシュを多めに加えて飲みます。

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木糖 2017/9/28

 人間の細胞同士をくっつけているのは結合組織のコラーゲン線維などですが、 植物の細胞同士をくっつけているのはセルロースやヘミセルロースなどの食物繊維です。

 食物繊維には不溶性と水溶性があります。
 不溶性はセルロースやヘミセルロースで便の量を増やし排便を促進させます。
 水溶性はグルコマンナン、アルギン酸、アラビノキシラン(水溶性ヘミセルロース)、 難消化性デキストリンなどで、粘稠性があり糖などの吸収を遅らせてくれます。

 アラビノキシランはトウモロコシの芯や白樺から採れるキシリトールの原料です。 キシリトールという糖アルコールは摂り過ぎると下痢をしますが全く毒性のない人工甘味料です。

 しかし、同じアラビノキシランからできるキシロオリゴ糖、アラビノース、キシロース(β-フラノース型)という糖は人間にとって毒になります。 家庭料理でキシリトールができてしまうということは希ですが、キシロースができるということはよくあります。 それは植物自身がアラビノキシランを分解するキシラナーゼという酵素を持っているからです。 普通の食事をしていて、最も体に悪い糖はこのアラビノースキシロース(木糖)です。

 体内に吸収されたアラビノース、キシロースが細胞の周りにくっついて蓄積していくと様々な病気になります。 ほとんどの病気はこういう結合組織の植物化が原因かもしれません。

 結合組織にあるキシロースの異性体を減らすためにカマンベールチーズをどうぞ。

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セレン中毒 2017/10/5

 先日、京大病院でセレン注製剤が通常の700倍の濃度で投与されたことで死に至ったという痛ましい事故がありました。

 セレンは元素記号Se、原子番号34、原子量78.96の金属です。 抗酸化作用の機能を持つ酵素の構成要素として細胞内に存在し、 抗酸化の活性中心としての必須微量元素であることが最近認識されるようになりました 。

 発見されたのは1817年で古くから毒性の強い元素として知られていました。 必要量は極少量で摂り過ぎると毒になる、つまり必要量と中毒量の差がとても小さいのです。

 普通の食事をしていてセレンが不足することはありません。薬として投与されなければいけないのは 土地にセレンが存在しないごく一部の外国の人や長期に中心静脈栄養を受けている人です。 日本人の場合はむしろセレン中毒の傾向があります。

 セレンは穀類や野菜、牛肉や鶏肉、ツナ缶や玉子などに含まれています。 これらも普通に食べていれば中毒になることはありません。 私が今まで患者さんを診てきてセレン中毒を疑ったのは 当帰(漢方薬)、あさり、緑茶、鶏軟骨(軟骨唐揚げ、手羽先、ラーメンのスープ、銀座有名店のレトルトチキンカリー)をよく摂っていた人です。 私が診たときは体の痛みやだるさが多かったように思います。 以前は糖尿病に良いと言われていたようですが近年の研究では逆に糖尿病になりやすいという結果があるようです。

 体内のセレンを減らすには鶏卵をレモン(8等分する)と一緒に水から茹でます。この場合固ゆでになっても構いません。 更年期障害で当帰芍薬散を飲んでいる方、緑茶を良く飲む方、手羽先やラーメンが好きな方は是非食べた方が良いです。

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肉食ダイエット 2017/10/12

 細胞内のエネルギー生成は細胞質で糖質を利用する解糖系ルートとミトコンドリアで脂質などを燃焼するルートに分かれます。

 解糖系は即座に利用できるため瞬発力が必要な運動で利用されます。

 ミトコンドリア系はミトコンドリアがもともと進化の過程で寄生した生き物であるため、 その仕組みは複雑でエネルギーを使うには時間がかかります。
 しかし、解糖系はすぐに燃料切れになってしまいますが、 ミトコンドリア系は脂肪を燃焼させ莫大なエネルギーを作りだすので持久的な運動に使われます。

 脂肪細胞の中性脂肪はホルモン感受性リパーゼの働きで脂肪酸に分解され細胞の外へ放出されます。 この脂肪酸は筋肉に取り込まれた後、L-カルニチンという物質がミトコンドリアまで送り届けるのです。 肉の赤身に多く含まれているL-カルニチンを摂ることによって脂肪燃焼を促すというのが肉食ダイエットの主な原理の1つです。

 また、L-カルニチンは筋肉内のアンドロゲン(男性ホルモン)受容体を増やすとも言われていて 筋肉の成長を促進します。

 L-カルニチンは牛肉よりも羊肉に多いので、ジンギスカンがダイエットに良いと言われていますが、 加熱するとかなり減ってしまいます。多分D-カルニチンに変化しやすいのでしょう。 また、サプリメントも多く出回っていますが、吸収率が悪いので効果は少ないです。

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トリプトファン事件 2017/10/19

 急性の首こり腰痛と言えば寝違えやぎっくり腰が有名ですが、食べ物が原因で起きるものもあります。

 例えば、<生姜+ニンニク>はそれだけでも毒なのですが、チューブ入りニンニクを使ったり ニンニクの焦げがあったりすると筋膜に炎症を起こしてしまいます。 腰下肢の痛みであれば坐骨神経痛と誤認されることが多いです。

 1980年代の終わりにアメリカでトリプトファン事件というのがありました。
 日本の昭和電工が製造した「L-トリプトファン」というサプリメントの使用によって 好酸球が異常に増加して筋肉痛や発疹を伴う「好酸球増加筋肉痛症候群(EMS)」によって1500件以上の健康被害、死者38名を出したというものです。
 当初は遺伝子組み換えを使った製造過程で発生した不純物が原因とされましたが、 その後、他社の商品からも同様の健康被害が発生したなどのいくつかの事実によって原因は不明となりました。
 現在、アメリカ食品医薬品局では「不純物に由来するものなのか、内容物、またはそれらの組み合わせ、 さらには未知の要因に由来するのか、特定することが出来ない」とし、トリプトファン製品に対する規制は当初より緩和しているということです。

 <生姜+チューブ入りニンニク>で激痛が発生した患者さんの気滞にはトリプトファンの反応がありました。 他にチロシンも反応があります。病院では原因不明と言われたとのことで好酸球は増えていなかったのでしょう。 しかし、軽めのトリプトファン事件なのではという気がしてなりません。

 <生姜+チューブ入りニンニク>以外に<煮干し出汁+豚骨スープ><豆乳+葉野菜>でも同じ症状が出ます。 このようなトリプトファン毒を減らし筋膜の回復を促すには稲荷寿司とカニカマ入りサラダ巻きの組み合わせです。

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ワセリン 2017/10/27

 ここ数日、脳に強い気滞がある患者さんを数名診ました。 いずれも神経伝達物質の質の問題という感じがしました。

 一人目は人工甘味料アスパルテームが入っているフルーツ味のガムをよく噛んでいた方です。
 アスパルテームはフェニルアラニンとアスパラギン酸の化合物です。 普通のミント味の物では問題がなかったので香料のフラボノイドとアスパルテームとの組み合わせで 悪い成分(D-アスパラギン酸?)ができ易くなっているのではないかと考えています。

 二人目はアンコウ鍋を食べた方です。
 アンコウは深海の砂泥状の海底に生息する魚です。 深海の毒によって悪いアミノ酸(D-グルタミン酸?)ができるのではないかと思います。 昔はもっと安全だったように思うのですが、海底の汚染と共に年々危険な感じがします。

 三人目は手にワセリンを塗っていた方です。
 手足に塗ったワセリンが脳と関係するとは考えにくいと思うのですが、 今までワセリンを使用されていたケースを鑑みても現在は脳に影響を及ぼすと感じています。
 皮膚の細胞にワセリンが何らかの成分あるいは方法で悪い影響を与えて 数種類の良くない状態のアミノ酸ができているのだと思います。 どのワセリンでも同じなので不純物や添加物でもなく酸化によってできた酸化脂質でもないようです。

 今回のケースではヘラディブの紅茶のうち、ローズとオレンジが役立ちそうでした。

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ゆで卵のピクルス 2017/11/2

 自律神経の問題というと精神的なことが原因と思われがちですが、 カビの毒や食べ物で損傷しているということの方が多いと思います。

 トリプトファン毒による筋膜の炎症でも末梢の副交感神経の損傷がありますし、 梅雨の時期に増えるカビや真菌の中には自律神経の中枢を乱してうつ気分や動悸を起こすものもあります。

 自律神経系を健康にするのはゆで卵のピクルスです。

 ゆで卵のピクルスというのは日本では珍しいのですが、イギリスではよく食べられているそうです。
 効能的には鶏卵だと1日~2日漬けるのがベストで、5日以上置くとかえって毒になります。 ウズラ卵は4~6時間です。 お弁当にゆで卵を入れる場合は半熟では危険ですが、 ピクルスなら固ゆで卵でも安全に食べられます。固ゆで卵の安全な食べ方の3つめです

 自律神経だけではなく髪にセラミドを補う効果もあります。

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植物の精 2017/11/9

 米にはアミラーゼというでんぷんを分解する酵素があります。 種は水を含むと芽を出します。米も水に浸すと酵素が働きだしてでんぷんを糖に変えて発芽の栄養にしようとしているのです。

 また、落葉樹は秋になると葉から大切なでんぷんを回収した後、 葉と茎の間で食物繊維を分解する酵素が活性化され葉が落ちるのです。凍てつく冬に備えての大事な準備です。
 植物の命はこのようなの様々な酵素によって支えられています。

 しかし、この食物繊維を分解する酵素、セルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼは 時として人間の健康を害します。

 野菜を生で食べるとタンパク質である酵素は→ペプチドやアミノ酸へと消化され吸収されます。 東洋医学的に言うと植物の気→精になるということです。 しかし、一部の植物は加熱調理の過程で人間にとって不都合なペプチドあるいは分解産物ができてしまいます。 これはコラーゲンを老化させたりアレルギーの抗原になる可能性があります。

 今の季節、咳や目のかゆみを訴えられる患者さんの中には空中に飛散している落葉樹の酵素のアレルギーの方もいらっしゃいます。

 このような落葉樹のアレルギーを起こすきっかけの多くは野菜の加熱料理にあります。 グレービーソース、玄米ご飯、里芋の煮物、大豆の煮物、果物のコンポートは気を付けないといけません。
 どうしても玄米を食べたいという人には「発芽玄米」を勧めています。 発芽のときにキシラナーゼが働いて別のものに変化していますし、農薬の水銀も吸収されにくいようです。

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オムライス 2017/11/16

 「オムライス」は日本生まれの洋食です。
 大阪で「パンヤの食堂」(現「北極星」)という飲食店を開いた石川県出身の男性が、 大正14年(1925年)に出した「ケチャップライス」を卵でくるんだ料理がその発祥といわれています。

 明治のころにはご飯とハムを炒めて醤油や塩で味付けした「ハムライス」というのが流行り、 そのうちハムは鶏肉に変わり味付けはケチャップになり、 大正13年(1924年)頃に洋食店で「ケチャップチキンライス」が出され始めたということです。

 実はケチャップは加熱すると毒ができてしまうようです。 トマトペーストやトマトピューレではそのような毒はできないので、ケチャップに添加されているハーブの酵素と加熱による変化でしょう。

 毒ができないようにするには鶏肉を一緒に炒めることです。 なので「ケチャップライス」ではなく「ケチャプチキンライス」です。
 これにオムレツを組み合わせて「オムライス」にすると肌を健康にする料理になります。 上からかけるのもケチャップではなくトマトソースの方が良いです。

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反粒子と反物質 2017/11/23

 

 今月21日の夜に火球と思われる光が流れ落ちていくのを日本の広い範囲で目撃されました。 火球というのは流れ星の特に明るいものを言い、途中で消滅しきれなかったものが隕石です。
 世界最大の隕石の衝突跡は南アフリカ共和国にある直径約190kmの窪地です。 約20億年前に直径10から12kmの小惑星が衝突したとされ、衝突時のエネルギーは原爆の58億倍と言われています。

 地球の大気圏外よりさらに外側にバンアレン帯と呼ばれる放射線帯があります。 地球の磁場によって電子や陽子が捉えられて形成されてきたようです。
 これはオーロラの原因になったりするものですが、太陽風・宇宙ゴミ・隕石などから地球を守ったりする重要なものです。 なのでバンアレン帯が弱まると地球も人間も大変な被害を受けます。

 近年このバンアレン帯では反物質(反陽子)が複数見つかっています。

 まず反粒子というのは素粒子の中で電荷が逆で重さやスピンは同じものです。 電子(e-)の反粒子は陽電子(e+)で、衝突すると双方は消えて光になります。 これを利用したのが癌を発見したり脳の代謝を調べるPETという検査機械です。

 反物質というのは反粒子が集まってでできた物質です。物質と反物質がぶつかっても消えてしまうと言われています。
 しかし、物質が消えてしまう現象を見たことがないのは、宇宙が生まれたときに粒子と反粒子は同じだけあったはずなのに 反粒子の方が少なくなったからです。その理由は物理学でもまだ解明されていません。

 バンアレン帯の反物質は、大気に宇宙線が当たると中間子やニュートリノが発生しますがその時、反中間子も発生し、それが更に反陽子になって 大気から飛び出したものがバンアレン帯に捉えられたのではないかという話でした。

 反物質というのはとても不安定で他の物質とぶつかって消失してしまいますが、 反物質が見つかったということは少しは地球に届いているかもしれないですし、 地球の磁場が変化したりしてバンアレン帯が弱まると反物質による影響がないことはないのかもしれません。

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肥満と腰痛 2017/11/30

 体の中に蓄えられている中性脂肪はグリセロール(グリセリン)に脂肪酸が3つ繋がったものです。 交感神経末端からアドレナリンが分泌され細胞に結合した後、 cAMPが活性化されその次にプロテインキナーゼという酵素が活性化され中性脂肪の分解が始まります。

 まず、脂肪細胞特異的TGリパーゼ(ATGL)が脂肪酸をひとつ切り離します。 次に、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)も脂肪酸をひとつ切り離します。 最後は、モノグリセリドリパーゼ(MGL)が脂肪酸ひとつを切り離します。

 近年発見された「中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)」という新しい心臓病はこの脂肪分解のプロセスの異常です。 遺伝性の場合と後天性の場合がありますが、遺伝性の場合はATGLが欠損しており、後天性の原因はまだ明らかになっていません。

 このような問題は心臓だけに起きているというよりも、骨格筋にも起きていると考える方が自然だと思います。

 後天的な脂肪分解障害の原因には色々あるのかもしれませんが、 ベーコンや豚骨スープなども一因になるのではないかと思っています。

 中年太りに気づいたら腰痛の予防のためにもスギヨの「加賀揚げ」をどうぞ。 野菜を使った揚げかまぼこは色々ありますがキャベツが使われているのが良いのだと思います。 煮る・焼く・電子レンジ調理では効能がなくなるのでそのまま食べて下さい。

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手指消毒剤 2017/12/7

 手指消毒剤は病院だけではなく、人が多く集まる施設や一般の家庭でも使われるようになりました。 感染も心配ですが消毒薬にも注意が必要です。

 まず一つ目は界面活性剤とグリセリンの組み合わせによって脳に弱い気滞ができます。 しかし、ジェルタイプになるとほとんど問題はなくなります。

 もうひとつはアラントインが入っているものです。 性ホルモンに影響を及ぼすようで女性が使うと脳に明らかな気滞ができます。逆に男性が使うと多少良い効果があります。

 開業してからずっと手指消毒にはアルボナースを使ってきました。これは女性男性関係なく使用できます。 一般の方は手に入れることは難しいかもしれませんが、医療従事者はアルボナースジェルを自分用に用意された方が良いかと思います。

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小胞体ストレス応答 2017/12/14

 

 今月、京都大学大学院教授の森和俊氏がアメリカの「ブレークスルー賞」を受賞しノーベル賞の三倍の300万ドル(約3億4千万円)が授与されることになりました。 「基礎研究をして億万長者になるとは夢にも思わなかった。アメリカンドリームの日本版だ」と喜びを語ったそうです。

 昨年のノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典氏の研究は、細胞の中でタンパク質を分解してリサイクルするという「オートファジーのメカニズム」でした。 森氏の研究はできそこないのタンパク質が細胞の小胞体に溜まって細胞が死んでしまう「小胞体ストレス」を回避するために 異常なタンパク質を修繕する仕組みの解明です。

 タンパク質はDNAに基づいて作られます。 アミノ酸をmRNAの設計図通りにタンパク質として編み上げるのは小胞体にくっ付いているリボソームです。 編み上げられたタンパク質を正確に畳むのが小胞体です。 出来上がりの点検をして問題がなければゴルジ体へ回され商品として修飾され細胞内で消費されたり細胞外へ輸出されたりするわけです。

 しかし、遺伝子に異常が発生したりすると、できそこないのタンパク質は使えないため小胞体に溜まっていきます。 そうすると細胞ごと死滅(アポトーシス)させてしまうこともあるのですが、そういうことをしなくても良いように 不良品を小胞体で修繕したりタンパク質の製造を中止させるなどの対応(小胞体ストレス応答)がなされるわけです。

 タンパク質の構造の異常はどこで起きても問題ですが、特に神経系においては重大な病気につながります。 オートファジーや小胞体ストレスの研究がさらに進んでアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの治療が可能になると素晴らしいと思います。

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老人の頭の揺れ 2017/12/21

 老人になると頭がずっと揺れている人がいます。これは老人性振戦(本態性振戦)で原因は明らかになっていませんが 交感神経の異常な興奮があるのではないかと言われています。

 神経の伝達は電子(e-)の移動で行われています。電子は素粒子の仲間です。

 ニュートリノという素粒子は宇宙空間に満ちています。 非常に小さい上、電気的に中性であるためあらゆる物を通り抜けてしまいます。人間はもちろん地球さえも光に近いスピードで通過してしまいます。
 16万光年彼方の大マゼラン星雲内の超新星爆発で莫大な数のニュートリノが放出され、 1987年、日本のカミオカンデ測定器で11個のニュートリノが通り抜けた跡を捉えました。 この世界的快挙で小柴先生は2002年にノーベル物理学賞を受賞されました。

 素粒子である電子も人体の中で物質を通り抜けることがあります。 これを「電子トンネル効果」と言います。 しかし、こんなことがいつも起こっていたのでは体の機能はまともにいきません。 電子が逃げないようにする仕組みが人体にはあるわけです。

 老人性振戦の疑いのある患者さんを望診すると交感神経周囲の結合組織から気が漏れて神経を刺激している感じです。 その方の場合はごま油の酸化した香味成分(セサミノール?)の反応があり、 これにより「電子トンネル効果」の抑制が低下してしまったのではないかと思います。

 ごま油あるいはごまだれを料理でよく使う方はごまの毒を取り除くために「たこ飯」をどうぞ。

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野菜の食べ方 2017/12/28

 

 野菜の精油(フィトンチッド)の多くは調理のときに水蒸気と一緒に逃げていくので、野菜を煮るときは蓋をしない方が良いのです。 蓋をすると食材が加熱される過程でしっかり浸み込んでしまい、もう二度と抜けていきません。

 わずかなことのようですが毎日の食事です。 こういうことで細胞のタンパク質を作る過程を狂わせてしまい、認知症や癌のリスクを高めます。

 鍋の蓋をしないということは当然、圧力鍋・無水鍋での調理、ポリ袋調理・真空調理もダメです。 体に良かれと思って根野菜や大豆の煮物などを圧力鍋などで作っている人もいるかと思いますが、 逆に非常に体に悪い料理です。 これらの調理法は肉や魚のみの調理法です。

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