東洋医学

気の医学について

施術

 テイ鍼という刺さない鍼やさしいお灸を使って鍼灸治療を行っています。

道具/てい鍼
竹のてい鍼、灸、つぼクリーム

 鍼もお灸も刺激が強い方が効くと思われているかもしれませんが、 そういうことはありません。
 刺さない鍼は刺す鍼のように感染症の心配もない上に刺す施術以上の効果があります。

 お灸も台座を使ったソフトなお灸にしています。 お灸の効能は熱によるものと思われるでしょうが、それよりももぐさが燃えるときにできるヤニの成分 が重要な要素です。そのヤニがツボに付くように台座には小さな穴が開いています。

へそ灸
へそ灸

 ぎっくり腰や寝違えなどの急性症状では患部に施術を行いますが、 慢性症状の場合は主に下肢にお灸やてい鍼を使います。その方がより効果が高くなります。
 また、美容/ダイエットの方にはヘソにお灸を行います。




診察方法

 一般的な東洋医学的診察は四診といって望診(舌診など)、切診(脈診、腹診など)、問診、聞診があります。 当院で行う診察方法は主に望診と問診です。

 東洋医学の望診と言うのは、体形、歩き方、皮膚の異常など西洋医学の視診と同じようなことに加えて 目に神(しん)があるかどうかを見ることが特徴で、そしてそれが最も重要と言われています。

 当院で行う望診は施術者の目で気滞(気の滞り)を見つける方法です。 これは患者の目に神(しん)があるかを見る方法や古代中国の扁鵲の診察方法に最も近い方法ではないかと考えています。

 古代中国伝説上の脈診の名医と言われる扁鵲(へんじゃく)の話です。
 扁鵲はある日、かねてからの知りあいに話を持ち掛けられます。 「病気を治す秘密の方法を知っているが、私は年老いてしまったので あなたにその方法を教えよう。但し決して誰にも話してはならない。」 扁鵲は言われた通り、秘薬を上池の水(湧き水ではなく地面に落ちる前の草木の露)で30日間飲んだところ、 人の体を透視して悪いところを見つける能力を得ることができました。 しかし、誰にも話さないという約束をしていたので、診察時は脈を取って、それで病気がわかるとカモフラージュしていたそうです。

精・気・神

 

 と言う文字は、大事なお客様をもてなすときの御飯を炊く湯気とも言われています。 気の説は色々ありますが、中国人は手でつかめないものは気とよぶようになったようです。

 気は物質から非物質までを含みますが、その純度で「精」「気」「神(しん)」と分けられます。 神(しん)は病気の自然治癒力ではありませんが、神(しん)が消えることはそのうち気が消えて精も消える事を意味します。 診察で神(しん)があるかどうかというのは、脳の精神活動がしっかりしているということと 病気の今後の経過を推測するために重要なのだと思います。

気滞・ツボ

 からだの病気や怪我で傷んでいるところには気が滞っていて気滞ができます。 気滞は体の微細な電気や磁気の乱れと考えて良いと思います。 そのため磁石を手にもって望診を行うと気滞が見つけやすくなり、大学のゼミではそのようにして練習していました。

 ツボは体調の変化に関連して体表に現れる特殊な反応点と言われています。 ツボも実は皮膚にできた小さな気滞です。 患部の大きな気滞と皮膚の気滞は気の道で繋がっています。 そのためツボに灸や鍼をすると患部の自然治癒力が高まり気滞が解消に向かうとともに病気や怪我も回復に向かいます。
 ツボも小さな気滞なので学生のときは磁石を手にもってツボを見つけていました。

自然治癒力

 例えば怪我をして皮膚などの組織が元の状態に戻るのは自然治癒です。 菌などの外敵が侵入しないように消毒をしたり、大きな傷で外科的に縫合したとしても 傷が塞がって元の状態になるかどうかは自然治癒力が頼りです。

 自然治癒力を東洋医学的に言うなら先天の気ということでしょう。 先天の気は基本的に増やすことはできないと言われています。 不老不死にはなれないわけですから当然です。

 しかし、薬膳と良い睡眠で自然治癒力をなるべく衰えさせないようにすることは 健康の自己管理には必要と思います。

薬膳

 

 古代中国の名医に張仲景という人がいました。 紀元2~3世紀のとき、伝染病が大流行して多くの人が亡くなったのを嘆き『傷寒雑病論』という医学書を書きました。
 それには生薬を使った多くの処方が書かれていますが、生の食材や蒸す、炒めるという処方もあったそうです。

 彼がどのようにして生薬の組み合わせを見つけたか、どのようにして食材と調理法の組み合わせを見つけたかは謎ですが 彼が望診の名医であったから出来たことだと思います。

 当院では治療後できる限り薬膳のアドバイスを行います。 最初は患者さんにお茶を持たせるところからでした。その結果、気滞が強くなれば合わないということですし、 気滞が弱まれば回復に役立つということです。 これは握薬(あくやく)という方法です。 そのうち患者さんに持ってもらう必要もなくなり、食材と調味料、調理法を組み合わせることができるようになりました。

 張仲景の時代と同じように本来漢方薬と言うのは急性期に効くものであり、後遺症となってから効くものではないと思います。 また、患者さんは体質、腸内細菌、蓄積している毒も一人ひとり違うので教科書通りの薬の処方や薬膳ではうまくいかないのです。

自分で食材を選ぶ

 健康を自分で管理するために最も重要なことは、自分に害のない食材や洗剤を選ぶということです。

 大学のゼミでツボを見つける(取穴)時に一人オーリングテストというものを練習しました。 これはアプライドキネシオロジーやO-リングテストと同じように筋肉の緊張を利用した手法です。 これは食品や洗剤を選ぶときにも利用することができます。

 ゼミでは磁石を使っていましたが塩を使った方法で説明をします。 技術を身に付けることは簡単ではありませんが、 時間がかかっても自分で安全な食材や洗剤を選べるようになりたいという方は練習してみてください。

ごま塩、瀬戸のほんじお、珠洲塩

【第1段階 体の微細な反応が分かる】
 3種類の塩を袋に入れて並べます。ごま塩、味の素の瀬戸のほんじお、のと珠洲塩です。
 手のひらを瀬戸のほんじおに乗せます。これが中庸で特に反応は無いはずです。
 珠洲塩に手を乗せます。体が軽くなり背筋が伸びる感じがします。これは良い食品の反応です。
 ごま塩に手を乗せます。体が少し重くなり沈むような感じがします。これは悪い食品の反応です。
 頭で考えず頭をカラにして行います。 この3種類の違いが分かったら次の段階です。

【第2段階 一人オーリングで分かる】
 利き手の母指と示指で輪を作ります。
 逆の手のひらを1段階目と同じように塩の上に乗せていきます。
 瀬戸のほんじおでは利き手の輪は変化がなく、珠洲塩のときは示指が曲がって輪が小さくなります。 ごま塩のときは示指が伸びて輪が開いてしまいます。
 この段階も頭で考えずにやります。無意識に示指が動く感じが分かったら次の段階です。

【第3段階 見て分かる】
 買い物の場合商品に直接触れることができない場合も多くあるので、 商品を見て一人オーリングを行います。 この場合は「この商品は人体に良いか」という感じで脳内で問いかけをします。 直接触れることができないので、この作業が必要になります。

 見て分かる段階を身に付けるのは至難の業ですが、この技術は自分の健康を維持するのに必ず役に立つと思います。

ツボ用クリーム

 ときどき鍼や灸以外にハンドクリームを治療に使うことがあります。 内臓より神経系の組織に作用しやすいように思います。

 手足のツボに少量塗ります。鍼や灸よりツボを考えて選ぶ必要はありません。

 安全で気を動かす効果があるハンドクリームとしてお勧めするのはロクシタンのハンドクリームです。

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