2012年1月
若返りの水 2012/1/5
日本では若返りの水と言うと養老の滝が有名です。言い伝えとして元正天皇(女帝)が水浴びをして肌がすべすべになり痛みも消えたという話しと
源丞内という男が酒の湧く泉を見つけ老父のために瓢(ひさご)に汲んで帰ったという孝子伝説があります。実際には養老の滝近くの菊水泉であったともいわれています。
元正天皇が、西暦717年に年号を霊亀から養老に代えたくらいですからその当時は実際に健康に良い水が美濃の辺りで湧いていたのは本当のことなのでしょう。
話しからすると特に肌に効果があったことがうかがわれます。
温泉なども含まれている成分によって効能が違いますから、何か肌に良い成分が含まれていたかもしれません。
しかし、私としては伝説とされる源丞内の話しも興味深いものがあります。当時水筒としては瓢箪(ひょうたん)の他に竹筒もありました。
ひょうたんを使ったということが若返りの鍵であったのではないかと考えています。
瓢箪の水筒に水を入れると、表面の小さな穴から水が気化し水が外気温よりも低くなるため夏はおいしく飲めるそうです。
要するに表面が水で湿った状態になります。このわずかに染み出た水の中に若返りの成分があるかもしれません。
更に絞り込むなら若返りホルモンと言われているものの内のどれかと関係する物質かもしれません。
ニスなどが塗られていない素瓢箪に50℃ほどのお湯を入れ、湯たんぽ代わりに素手で10~20分握っています。週に1回程度ですが顔肌にハリが出るように感じています。
源丞内の老父は息子が汲んでくれた水の入った瓢(ひさご)を大事にずっと手に持っていたのかもしれません。その結果、顔も若返り表情も快活になって、さも瓢箪から酒を飲んでいるように見えたかもしれません。
想像にしか過ぎませんがその方が水が酒になるということよりも現実的だと思います。
瓢箪が六つで【無病(六瓢)息災】となり縁起の良い絵柄として利用されたりします。瓢箪の成分もお湯だと早く出切ってしまうように思うのでひと冬で1個として6年6個の瓢箪を使えば肌だけでなくほかにも良い影響があるかもと期待しています。
ひょうたんの中の水は飲んでも効果は無いと思いますし衛生上も良くはないので、水は現代の水筒に入れて持ち歩くのが適切だと思います。
おばさん臭とおじさん臭 2012/1/12
加齢に伴う特有の体臭にはおばさん臭・おじさん臭・老人臭などがありますが、いずれも酸化ストレスが関与しているんではないかと考えています。
女性で30代半ばからおばさん臭が出る人がいます。毎日ではなく排卵の前後に強く、比較的本人も気づきやすい体臭です。
また閉経のあたりでかなり弱まるので卵巣と関連があるのでしょう。
排卵前の卵胞の中には卵胞液というものが溜まります。加齢に伴う変化で卵胞液にマロンジアルデヒドが生成されるようになります。マロンジアルデヒド(MDA)は代表的な脂質過酸化生成物の一つで、私はこれがおばさん臭の犯人ではないかと考えています。
このおばさん臭簡単なことで症状を改善できます。それは粉末のマリームだけをお湯に溶かして飲むことです。珈琲も砂糖も加えてはだめです。臭いが強いときは日に2回飲んでください。他の商品(クリープなど)では効果はありません。
男性の場合女性より少し遅れて40代から特有の体臭が出る人がいます。特に枕が臭くなると言います。
まず資生堂が40代以上の男性の体臭を「加齢臭」と名付けてその原因をノネナールだとしました。またライオンはそれとは別の30代男性特有の体臭の原因をペラルゴン酸だとしました。
私はおじさん臭の原因物質は複数あって、その中でペラルゴン酸が主役ではないかと考えています。後頭部や側頭部は薄毛の人でも髪が残りやすい部位で、それは同じ頭部でもホルモンの感受性が違うからだそうです。
おじさん臭が首の後ろや耳の後ろで強いのは男性ホルモン+酸化ストレスが関与しているからだと思います。
おじさん臭に効果のある薬膳も考えてはみたのですが、毎日簡単に食べられるものではなかったのでボツにしました。
簡単に症状を緩和するにはボディーソープ【デオラ】が効果的だと思います。
バラ香る日々 2012/1/19
人間にとって最も特別な花と言えば薔薇です。それは色や形ではなくその香りが人間に特別な働きをするからです。
香りは脳を直接刺激すと言われています。脳への刺激を介して心をリラックスさせたり、からだを快活にさせたりします。
通常はそういうことなのですが、ばらの場合肉体以外に作用する働きがあると思います。
肉体以外といっても氣ではないので更に説明するのが難しいのですが「精神の一部」と「運」ということでしょうか。
言葉にしてしまうと大したこと無いように思われるかもしれませんが、重要なことです。
物質と非物質はペアになっていて、2つでひとつの世界です。
どちらかが正常な状態でなかったら十分ではありません。
ばらの香りを嗅ぐ場合、当然最も良いのは生花のばらの香りです。
それ以外にも利用できるものがあって、私はHERADIVのばらのフレーバードティを飲んでいます。
ただ、ばらの香りを嗅いだからといって、お屠蘇の場合もそうですが肉体以外に作用する場合、効果が分りづらいのです。
一般の人よりも氣を扱う鍼灸師向けかもしれません。
一般の人には同じくHERADIVのオレンジ・チェリー・いちごなどが体の健康に効果があるのでそれらをおすすめします。
しもやけ 2012/1/26
しもやけは凍傷と違い軽く見られがちです。子どもに良く見かける症状で、大人になっても続いている人は一部の人です。 この中には毎年重いしもやけに悩まされている人もいます。しもやけの無い人との違いについて現代医学的には、冷え性の人・血流の悪い人・ストレスの多い人・多汗症の人が罹りやすいとされています。 鍼灸院には冷え症の方や循環障害の方も来られますが、その方々にしもやけが多いというわけではありません。 もう少し複雑なメカニズムがあるはずだと思われます。
子どものしもやけも大人のしもやけも、外気温が低下することが絶対条件ですが、しもやけの患部における気滞(気の滞り)には違いが感じられます。 毎年しもやけになる方の多くには感染症の反応が感じられます。水虫などの皮膚の感染症ではありません。ただ、他の臓腑に病気を起こすような反応はありません。 脂肪に生息するアデノウイルス36型のように、地味に隠れている印象です。
しもやけに効果のある食べ物は蒸かし芋です。最近さつま芋型の容器で電子レンジで焼き芋風に作れるものが売っていますがそれでも大丈夫です。
ただ、本当の焼き芋では効果が無くなってしまいますので注意して下さい。蒸かし芋は足の指の気の流れを改善します。
もう1つ良いと思われる物はパイル地(ループ状)が貼ってあるインソールを使うことです。これは湿気対策ではなく足元から頭部に向けての気の流れを良くするもので、パイル地の靴下では効果がありません。
蒸かし芋よりも即効性はありませんが100円ショップでも売っているので試してみてはどうでしょうか。
2012年2月
香り織り成すひと 2012/2/2
香りは直接脳を刺激するといわれています。五感の内で最も氣を刺激するのは香りかもしれません。
一瞬漂った香りで忘れていた記憶が甦ることもあります。
香りに関わる仕事の中にはわずかな香りの違いを嗅ぎ分けることを専門とする方もいるでしょうし、香りを組み合わせて新しい香りを生み出すということをしている人もいるでしょう。
その中で近年携わる方が増えてきて身近な職業になったのはアロマセラピストです。
これまで何人かのアロマセラピストの方の鍼灸治療をしてきましたがほとんどの方は脾臓の機能が低下しています。 この場合の機能というのは東洋医学的な【脾】のことで現代医学的な検査で判る働きではありません。 アロマセラピーを受けている側にはそのような問題が生じていないことから、原因は繰り返し多量に様々なエッセンシャルオイルの香りを嗅いでいることだと思われます。 実際体調がすぐれず仕事を辞めざるを得なくなった人もいます。 なんだか自分の羽根で機を織る鶴のようです。
【脾】の機能が低下すると漢方や薬膳も効き目が弱くなり簡単には体調が改善されません。
そのため直接脾の働きを改善するものではなく間接的に働きかける料理を考えました。薬膳ではなくアロマセラピストさんのためだけのメニューです。
ルクエにえのき茸2袋分を入れレンジで蒸してしんなりさせておきます。その上にかいわれ大根1パック分とハタハタの一夜干を乗せ、バルサミコ酢を大さじ3掛けてもう一度レンジで蒸します。
びっくりするくらい不味いので4年に一度で十分です。
過ぎたるは猶及ばざるが如し 2012/2/9
以前アルミ鍋が認知症の原因の1つではないかとか、タバコはアルツハイマー病の予防になるのではないかといわれていたことがありましたが、 最近脳内の過剰な鉄分を取り除くことがアルツハイマー病やパーキンソン病の症状改善に期待できるということを裏付けるマウスの実験結果が発表されました。 ニューロン(神経細胞)構造の安定化に役立つタウタンパク質の生成ができないようにされたマウスは歳を取るに従い、 短期の記憶障害など2つの病気に似た症状を示し、脳内に鉄分の蓄積が認められました。研究者が過剰な鉄分を取り除く薬を与えると症状が改善されたということです。
患者さんの気滞(気の滞り)が金属と関係しているということは珍しくはありません。
ダイオキシン・排気ガス・農薬など他の毒にも言えることですがその人の体質によってそれらに非常に弱いという人がいます。
金属も溜まりやすい人がいると思います。
教師や勉強ができた人のほうが認知症になりやすいという話を聞きます。
実際にはそのようなことは無いと思いますが、私としては脳の中で特定の場所だけが常に使われ【過ぎる】ということはやはり良くないように思います。
金属が溜まりやすい体質の人は脳の中の代謝が高いところにより金属が溜まるような気がします。認知症の予防としてクイズを解くようなものがありますが
何らかの毒が溜まりやすい人にとって逆に良くないように思います。もちろん勝手なイメージなので正しいとはいえません。
認知症予防としてそのほかに利き手と反対の手で字を書くというものがあります。 脳全体を活性化させることが目的のようですが、普段使ってない脳の部分を使うという意味でこの方が使える予防法だと思います。
何でも『過ぎる』ということは良くありません。毎日同じものを食べて体に合わなくなるということもあります。
鍼や灸の刺激も強すぎると逆に悪くなります。癌の専門医師は繰り返し癌の進行をイメージすることで癌になり易いとも言われます。
利き手と反対の手で字を書くのも1日1行のやり過ぎない程度の量で良いと思います。
エルメスの杖 2012/2/16
杖に1匹のヘビが絡まったマークがあります。これは『アスクレピオスの杖』といい医療のシンボルとして使われます。
アスクレピオスはギリシャ神話のアポローンの息子で、病を治し死者を甦らせたという名医でした。
このアスクレピオスの杖と良く似たものに『エルメスの杖』というものがあります。
エルメスは異母兄弟のアポローンから物々交換で、先端から2本の枝が伸びている黄金の牛追いの杖をもらいます。
エルメスはこの杖を通行手形として、冥界・地上界・天界を往復し、神々の相互の意思や、特にゼウスの命令を伝える伝令の役割を果たしました。
この杖は「伝令杖(カドゥケウス)」と呼ばれています。
もともとエルメスはギリシャ以前の先住民の神でもあったのですが、エジプトの神と合わさった後この杖は、天と地、太陽と月、男性と女性、硫黄と水銀などの対立物を統合して、完全な金属である黄金を作る超越的な力の象徴ともなりました。
このエルメスの杖、クンダリニーの蛇とも似ています。クンダリニーとは螺旋を意味する形容詞のkundalinにiがついた蛇を意味する言葉です。 クンダリニー・ヨガでは陰陽のエネルギーを背骨の基底部に集めとぐろを巻いた蛇とともに中央脈管(スシュムナー)を上昇して各部のチャクラを目覚めさせて行きます。 エルメスの杖は脳と脊髄にあたり、二匹の蛇は対極する二つのエネルギーにあたります。ここまで来るとエルメスの杖は道教の太極図と似ているということが分ると思います。
2つの異なる力によって三次元の現実は生まれてきます。人の体も天の気と地の気が結びつくこことによって本当の意味の生命のエネルギーが発生します。 ただ、現代の人間で天の気が体に入って来る人はほとんどいません。古代の人間はもっと天の気も活用できたはずです。 何故そうなったかは分りませんが、現代の人間は現代医学のシンボルであるアスクレピオスの杖に似ています。
腑に落ちない 2012/2/23
日本人は古くから心のうちを表現するときに「腹」という言葉を使います。腹が立つ、腹を決める、腹に一物など多数あります。
納得いかない事や理解できない事があって、それが膝を叩くように急に納得するということがあります。
頭で考えた事や胸にあった思いがストンと腹に落ちる感じです。
五臓五腑の五腑は「胆、小腸、胃、大腸、膀胱」です。この『腑に落ちる』という時の腑はたぶん胆だと思います。
他の臓腑も心の働きと何らかの関係を持っています。
お中の丹田辺りに良心の素とも言える気が感じられます。まれにですがその気の存在が感じられない人達がいます。
その人達は2つのグループに分けられます。1つはいわゆる「腹黒い」という人たちです。良心のある無しに関係なくこの人たちは損をしたくないため本音を見せない人たちです。
従ってそれほど問題ではありません。もう1つのタイプは良心を持たずして生まれてきたとしか言いようが無い残忍な人です。一般の人はできるならば関わらないほうが身のためです。
この良心の素と思われる気は臓腑と関係が感じられません。という事は良心を直接傷つけたり歪めたりする臓腑の病はないということです。
その反面、悪魔のような人でも臓腑は健康で生きていけるということが言えます。なんとも腑に落ちません。
2012年3月
ナンバーズ 2012/3/1
先日、自動車免許証の更新に行ったところ、4桁の暗証番号を2つも要求されました。 誕生日など推測されやすいものや、同じ組み合わせを使い回しする人がどうしても多いからでしょう。 アルファベットが混ざったパスワードと違い、数字だけの組み合わせの中には運気に影響を与えるものがあります。 与えられた番号は仕方がないとして、自分で選べたり組み合わせたりする場合は運を上げるチャンスかもしれません。
古くから中国では奇数が縁起が良いとして好まれました。今でもお灸は1壮、3壮、5壮・・・と奇数の数を据えるのが一般的です。 また、陰陽(2)、気血水(3)、五行など物事の本質を表現する場合は、それ以上小さくならないとして素数が使われています。
易の八卦(乾、兌、離、震、巽、坎、艮、坤)は一見数字とは関係ないように思われますが、河図(かと)・洛書(らくしょ)というものから考え出されたとされ、 数字に置き換えられるようです。少し頭をゆるくすればバーコードの仲間に見えないこともありません。 非常に力があるとされる『先天図』は対称的な卦が向かい合っており、割り当てられた数を足すといずれも10になります。
先天図以上に運に関係するのが「月日」です。引越しや開店日など何かの始まりの日付の数字は、その後の健康運や金運に影響を及ぼすと思います。 だからと言って占いにはまり過ぎるというのは危険です。大安もみんなにとって良い日とは限りません。 ただ、歴史的な日付はある程度参考にできると思います。東京オリンピックが開催された1010は日本の金運を高めてくれたと思いますし テロがあった0911は世界中が運を下げたと思います。
科学はあらゆる物を数値化します。数字というのは科学の象徴的なものです。 その数字は意外にも非科学・非物質の世界とつながっているかも知れません。
身方の印 2012/3/15
大震災から1年が経ち、特別番組が放送されていました。復興が様々なことで妨げられている状況がありました。
文明は大きな河の周辺で始まったといわれていますが、河が氾濫すると全てが流されてしまい定住が難しかったようです。
紀元前2070年ごろの中国、禹(う)という人物は時の王に黄河の治水事業を命じられます。
その治水が成功し後継者に任命され、後に中国最古の王朝「夏(か)」の始祖となりました。
禹は即位後しばらくは武器の生産を取り止め、宮殿の大増築を当面先送りし、煩雑な制度を廃止して行政を簡略化しました。
山を切り開き植物を植え、国を九つの州に区分しました。
地方から中央への道路を整備し、関所や市場にかかる諸税を免除しました。
大きな山や川に名前を付け、東西南北に旗を立て中央との位置を明らかにし、州の境には目印を付けました。
各土地の土質に等級を付け、それに応じた税を納めさせますが、常に収穫量に注意を払い農民を苦しませないようにしました。
土地は諸侯に分配し姓氏を与え、倹約政策においては自らが率先して行ったということです。
ときには周辺の国との争いも有ったかもしれませんが、民は御方(みかた)として国のために懸命に戦ったことでしょう。
体の中で国の治安と同じような仕事をしているのは免疫です。
国境は皮膚や粘膜が担当しています。外部から敵が侵入してくるとパトロール隊のマクロファージや特殊部隊のリンパ球が攻撃を仕掛けます。
躰の細胞には私印の旗が付いていて、彼らはその旗を目印に私と私でない物を区別することができるのです。
特にリンパ球の中でもT細胞は胸腺という学校で私の印を教えられ、見分ける訓練を受けます。
試験に合格した3%ほどのエリートが仕事に就くことができ、残りのものは世間に出ることなく消滅します。
この免疫系のシステムが正常に働いているとたいへん暮しやすいのですが、少し手違いが起こると「花粉症」のように見逃しても良いような物に過剰に突っ掛かります。
そうかと思うと肝炎ウイルスの母子感染のように、赤ちゃんの頃に敵が進入すると胸腺の学校には敵の旗も存在するので、私として認識してしまい攻撃はしません。
免疫系は外部の敵だけを注意しているのではありません。癌細胞などの内部の反乱分子も常に監視しています。
全体のことを考えず自分さえ良ければいいという者は敵と同じなのです。
癌などの代替療法の1つとしてサイモントン療法(イメージ療法)というのがあります。
がん細胞を自分のリンパ球がパクパク食べいくイメージを繰り返し描きます。
このときリンパ球の中でもナチュラルキラー細胞というスナイパーが癌細胞を攻撃してくれるのです。
リンパ球が「夏」の警察官だとしたら、守るべき国の主「禹」は私のどこに当たるのでしょうか。
脳は総理大臣にはなれるかもしれませんが「禹」になるには力不足です。
やはり民の主は私が私と思っている精神活動そのものだと思います。
ユングは人間には共通に持っている無意識があり、それを集合的無意識とよびました。
国の領土が広がるように、免疫の主が集合的無意識に代わったとき、どれだけの人が身方と認識されるのでしょうか。
若返り鍋 2012/3/22
古代中国の張仲景は『傷寒雑病論』という本を書いたとても有名な医師です。
彼は薬の処方だけでなく薬膳の処方も上手だったそうです。故郷へ帰ったとき人々が飢えと寒さで耳もしもやけになり苦しんでいるのを見て、
「祛寒嬌耳湯(寒さを取り去るかわいい耳のスープ)」という鍋を作って食べさせ、耳のしもやけを治してあげました。
その後もその薬膳を真似て人々が嬌耳(ジャウ・ア)を作るようになったのですが、【嬌】と【餃】は同じ発音であったため、いつの間にか餃子(ジャウ・ツ)と呼ぶようになったようです。
今でも冬至の日に水餃子を食べる風習が残っているそうです。
「傷寒論」の処方には乾燥させた生薬だけでなく、生の食材もよく使われています。 作り方では水で煮る(煎じる)以外に蒸す、炒めるというものもあります。 理由として同じ効果を出せる生薬が無かったとも考えられますが、やはり生の食材でしか得られない効能もあったのではないでしょうか。 どのようにして薬となる材料の組み合わせや処理の仕方を見つけ出したかは分りませんが、 後の時代に作られた方薬理論を勉強してできるものではないことは確かです。
「傷寒雑病論」はすでに散逸してしまって現存しないのですが、それを元に作られた『金匱要略』という本には「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」という処方があります。 これは甘草・小麦・大棗(なつめの実を乾燥させたもの)の3つの生薬からなるシンプルなものです。 この漢方は精神安定の作用があり、睡眠障害・更年期障害・夜泣きなどに使われるものです。 漢方の湯液の良いところはそれぞれの量を変えたり、別の生薬を加えてより個別的な薬を作ることができることです。 また、この処方の面白いところは、いずれも食材なので薬膳にもなるのです。 甘草だけを生に代えたり、大棗だけを生に代えたりしても違った効能のものができます。 また甘草・なつめの両方を生にして、スープではなくなつめだけを食べるとたぶんダイエットの薬膳になると思います。
張仲景の処方の半分以上に大棗が使われています。中国ではなつめの木がはよく庭に植えてあり、果物として食べられています。日本でも庭に柿木を植えますがそんな感じなのでしょう。 なつめがすばらしい素材であるのは間違いありませんが、張仲景が日本にいたならまったく別の素材を使って、同じ様に沢山の処方を作っていたことでしょう。
ということで、シンプルな食材で薬膳になる鍋を考えました。白菜と豚ばら肉を少なめの水で煮てゆずコショウを付けていただきます。
塩もだしも入れてはいけません。なのでそんなおいしいものではありません。
最近よく見かける、サンドイッチのように挟んで立てて詰めていくと具材が沢山入ってよいかもしれません。
汁を捨て具だけを食べると男性の精力増強になり、スープにゆずコショウを少し入れると女性らしい体型にします。
そして、具にゆずコショウを付けて食べると細胞の若返り効果があります。
期待するほどの効果があるとはいいませんが、健康維持の一助にはなると思います。
病は世の中に数え切れないほどありますが、地球は薬の素材で満ちています。 ナツメなど古代中国にあった材料だけが薬になるわけではないのです。
虎の威を借る狐 2012/3/29
トイレへ一緒に行ったり、道端でいつまでも世間話をしたり、なぜ女性は群れたがるのか。
その理由のひとつとして、原始時代では男が狩に行っている間女子供だけになるので、危険から身を守るために情報交換をしたり、
妊娠出産のために協力をしなければいけなかったから、という説があります。
そのためか男性よりは女性の方が共感的理解や感という能力が高いようです。言うなればなんとなく分ってしまうということです。
家族的な集団から村のように集団が大きくなると中には「神のお告げ」などと言って他の女性たちを従わせる者も出現したかもしれません。
古代では本当に特殊なあるいは本能的な能力を持っている女性がいたでしょうが【虎の威を借る狐】のやからもいたことでしょう。
「虎の威を借る狐」の故事は七雄(斉・楚・秦・燕・韓・魏・趙)と呼ばれる大国を中心に争いと策略が渦巻いていた中国の戦国時代の話です。 楚の国の王は軍事を宰相の昭奚恤(しょうけいじゅつ)という男にまかせていました。昭奚恤は王族の出身で代々が重臣というかなり仕事のできる男だったようで、その名が諸国に知れ渡っていました。 そのことについて王が話したとき、側近の江乙(こういつ)という者が「昭奚恤は虎の威を借る狐に過ぎません。周辺の国が本当に恐れているのは王様です」と言いました。 この江乙という男、以前は魏の国の者でいつの間にか楚の国に居ついて家臣になりましたが、魏の国と裏では繋がっていた様なのです。 昭奚恤は、江乙が魏に内通しているとにらんでいたらしいので、江乙の方もそれに気づいていたのか「昭奚恤は魏から賄賂をとりました」、「昭奚恤は私を除けものにいたします」 と事ある毎に昭奚恤の悪口を王に吹き込んでいました。
こういう狐は現代でも健在で、コピー商品を指摘されて「自分がやらなくてもどうせ誰かがやって儲けるんだから先にやっている。騙される方が悪い」
と開き直ったりします。虎や狐が現れない時代はそんな簡単には訪れないのです。
楚の国の王は結局は騙されたりはしなかったようですが、もし江乙の言い分を信じてしまっていたら領土や財産を奪われるだけでなく古くからの大切な友人を失っていたかもしれません。
自分は大丈夫と思っていても心が沈みがちのときはそういう輩につけ込まれやすいので注意はしておかないといけません。
青空を見上げると少し心の気が補われるはずです。
2012年4月
イメージチェンジ 2012/4/5
人の個性は長所にもなれば短所にもなる裏腹なものです。からだの中で働いている細胞や物質も見方が変われば以前とは全く異なったものに見えてきます。
がんの末期の人がやせ衰えていく現象などを「がんの悪液質」と呼び、その原因はがんが栄養を奪い去るからと学生時代に教わりました。
近年の研究ではTNF-αという物質が悪液質の原因と考えられています。
TNF-αは日本語で腫瘍壊死因子といい、がんに栄養を運んでいる毛細血管を破壊するなどしてがん細胞を死滅させます。
がん細胞を壊死させる力が強いため最初はとてもありがたい物質でした。
しかし近年では、悪液質だけでなく、その他に血管内皮細胞を障害させるとか、リウマチや乾癬の関節破壊に関与しているという話があり、イメージは「厄介物」に変わってしまいました。
今度はTNF-αの働きを抑える薬が作られましたが、そうすると体の免疫力が低下してしまい簡単には喜べません。
でもそのうち「やっぱり内皮細胞の障害は別の異常な白血球が原因でした」なんていうことになるかもしれません。
3月の末に強い風がふき、そのあとからアレルギーの患者さんが増えましたが、アレルギーでも風邪でも敵が侵入して来た場合、局所に白血球などの免疫細胞を集めなければいけません。 感染部位から放出されたTNF-αが毛細血管に働きかけると毛細血管壁に白血球がくっつきやすくなり、 それをきっかけとして白血球は毛細血管をすり抜けて現場に駆けつける事ができるのです。
アレルギーと風邪の鼻水は性質が異なります。アレルギーの鼻水はさらさらとしており、検査をすると好酸球があるのでアレルギー性と分ります。
この好酸球も昔はアレルギー症状の原因ではないかと思われイメージが悪かったものです。
最近の研究では好酸球はヒスタミンを減少させ炎症を収束させる働きをしてるようなのです。
炎症の収束が適切に起こらないと関節炎、動脈硬化、喘息、がんなどへと発展してしまうと考えられていて、
好酸球がとても重要な仕事をしていることが分ります。
時々好酸球の異常の反応が気滞として現われることがあります。 わずかな反応ですが私は若返りや長寿のためにはミトコンドリア・線維芽細胞・骨芽細胞・好酸球、この4つの健康は絶対必要と考えていますので見逃せません。 局所の気滞を解消することは鍼灸治療で可能なのですが、全身となると難しいものがあります。 これらの対処として、たまに口紅を塗らずリップグロスだけを付けるのも良いかと思います。これは薬でも何でもありません。 風水で龍の通り道を作るようなものです。
夏風邪が長引く理由 2012/4/12
冬の風邪が収まりつつある今の時期、ちらほら夏風邪が出始めました。案の定その方たちは風邪がなかなか治らないと言っています。 夏風邪が長引く原因として、夏風邪のウイルスは高温多湿を好むので暖めると良くないとか、逆にクーラーで冷えすぎるのが良くないとか、暑さで体力が低下し夜も十分眠れないからなど色々言われています。 でも、夏風邪は春から出始めるのでどれも的を得た答えのように思えません。
夏風邪を起こすウイルスのひとつにアデノウイルスがあります。大人であればアデノウイルス感染症に生まれてから何度も罹っているはずです。 アデノウイルスの種類は51型まであります。あの肥満化と関係する36型や咽頭結膜熱(プール熱)を起こす3型、流行性角結膜炎を起こす8型、膀胱炎を起こす11型、性感染症を起こす37型、重症肺炎を起こす14型など色々です。 また、同じ型でも症状の出方が随分と異なったり、不顕性感染といって症状は無いのにウイルスは排出しているというものも多いのです。中には何年間も扁桃の中に潜んでウイルスを出し続けているということもあるそうです。 近年このアデノウイルスの潜伏がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のうちの肺気腫の発生に関与しているのではないかといわれています。
肺気腫は、肺胞という酸素を体に取り込む沢山の小さな部屋が壊され大広間になってしまい、空気の出入りがしずらくなる苦しい病気です。
肺気腫は、これといった効果的な治療が無く病気の進行を止めることはできません。そのため禁煙して予防することが何よりも重要な対策といわれています。
確かに喫煙がCOPDを悪化させることは間違いありませんが、喫煙者のCOPDの発症率は20%ともいわれており主犯とは言えません。
アデノウイルスがからだの免疫細胞に排除されずに何年も潜伏できるのは何故なのでしょうか。
その答えが夏風邪が長引く原因にもなっているような気がします。
アデノウイルスが人の細胞に入り込むとアデノウイルスE1Aというたんぱく質が作られます。
このことをきっかけとしてアデノウイルスに都合の良い環境が作られていくのです。
その中でも潜伏を可能にしているのは、抗ウイルス作用を持つNO(一酸化窒素)の産生を抑制したり、ウイルスに感染した細胞のアポトーシス(細胞の自殺)を抑制していることが関係していると考えられます。
細菌と違ってウイルスは人の細胞の中に隠れてしまうので、免疫細胞がウイルスだけを退治するということができません。そのため感染されてしまった自分の細胞ごと始末してしまうのです。
その作戦もうまく機能しなくなるとウイルスが長く居座り、じわじわと肺胞を破壊していくことになるのでしょう。
ワクチンがあればそれで予防できるのでしょうが、51種もあるとどうやらそれも難しいようです。
アデノウイルスの呼吸器の潜伏に対する薬膳として、皮なしウインナーで数の子を挟んで蒸したものをおすすめします。 その際、白菜のお漬物を必ず一緒に食べてください。この薬膳の副作用が起きないようにするためなので忘れずに。 それと夏風邪が完全に治ってから食べたほうが良いです。胃腸が元気でないときは下痢をするかもしれません。
花紋とミツバチ 2012/4/19
食材として馴染み深い蜂蜜ですがニホンミツバチとセイヨウミツバチとでは少し違いがあります。 ニホンミツバチは色々な花の蜜を集めるので「百花蜜」といいますが、セイヨウの場合は同じ花の蜜を集める習性が強いため「アカシア蜂蜜」など、花の名前が付けられていることが多いようです。 ニホンミツバチは集蜜量が少なく飼育も難しいため今では少数派ですがセイヨウよりも病気やカビに強く、そして農薬を嗅ぎ分ける力が強いのです。
ミツバチはどうやって好みの花を探し当てるのでしょうか。実はミツバチは香り以外に【色と形】で花を区別することができるのです。 自分達の巣へ帰るときも周辺の様子で見分けるのですが、養蜂場のように同じ様な巣箱が間隔狭く置かれているところでは、それぞれの巣箱にマークをつけているところもあります。 まるでミツバチ家族の【家紋】のようです。
「色と形」といえば風水です。人に運気を運ぶ龍は、女王蜂のために蜜や花粉を運ぶミツバチのようなものかもしれません。
「色と形」はそれぞれの【波動】を有しますが、龍も好みの波動を持つ人に引き寄せられるのでしょう。家紋ならぬ氣の紋です。
人間の足元から入ってきて病気を治す力になってくれる「地の氣」も健康の運気と考えられます。
この「地の氣」は農薬が体にある程度入っていると充分に入ってこないように思います。これは農薬に強い弱いという体質は関係ないようです。
能登半島の先端にパワースポットとして有名な珠洲岬があります。 多分パワースポットと龍穴は同じものだろうと思いますが、そこを出入りする龍も場所によって違うようです。 珠洲岬の場合かなり波動が高いようなので一度は訪れてみる価値があるのではないでしょうか。
疫病神 2012/4/26
いい人なんだけれど、一緒にいると何故だか不運な事が起きるということはありませんか。
こういう場合、相手や自分が悪いという訳ではなく、そういう組み合わせとしか言い様がない気がします。
相手の人間性や知性とは全く関係ないのですが、その人は自分にとって疫病神という事になってしまいます。
このような関係は人と車の間にもあります。交通事故はあくまでも運転者など人の責任ではあるのですが、トラブルが続くと相性が悪いなぁと感じることもあると思います。
逆にどれだけ古くなっても手放しがたい車もあります。
エコカーではなく昔ながらのエンジンが載っている車の場合、時々心が宿っているように感じることがあります。
人の心の波動と共鳴しやすい何かがあるのかもしれません。
幸運や不運をもたらすと考えられているものはその他に宝石があります。
「天の氣」はビッグバンのように拡散していくパワーで、逆に「地の氣」は一点に集結していくパワーのイメージを持っています。
高温と高い圧力によって結晶化した宝石は地の氣の象徴的なものだと思います。
宝石やパワースポットの場合波動が高いためか、人はそこからパワーを受ける事はできても、それに持ち主の心が宿るということはほとんど無いと思われるので相性の問題も起こらないはずだと考えています。
それでも宝石で不運なことがつづくという話があります。有名なのは「ホープダイヤモンド」です。
画像で見ただけでも私の場合肺の辺りが不快な感じがします。
このダイヤモンドは不純物が混ざっているため青い光を放つのですが、その不純物の混入が波動を悪くして不運を呼び込んでいるのかもしれません。
合金や人造石ではこのように嫌な感じを受けるものはよくあるのですが、天然石ではホープダイヤモンドのようなものは本当にまれなケースだと思います。
疫病神と一緒にいる時の不運というのは、一緒にいることで氣が害されるという事に対する警告の意味のアラームと考えられます。そのため警告に従って付き合わないというのが最良策ですが、簡単に実行できるとは限りません。 そのような場合、石の力を借りて自分の氣が傷まないようにすると警戒態勢発動ということも無くなり不運が少なくなるかもしれません。
2012年5月
朱に交われば赤くなる 2012/5/10
昨年、抗生剤耐性の淋菌が発見されたという記事がありました。どんな病原菌であれ抗生物質が効かないというのは人類にとって脅威です。
患者は日本の風俗店に働く女性で、その喉から検出されました。記事によると新種の淋菌は日本を含む東アジアで発見されることが多く、風俗サービスとの関連性が指摘されていました。
確かに咽頭淋病はそういうことなのですが、抗生物質の罪も見逃せないと思います。
生き物の多くは子孫繁栄のために自分と違う遺伝子を取り入れて環境に負けないようにします。
人間も自分の遺伝子となるべく遠い遺伝子を嗅ぎ分けているとも言われています。
性別の無い細菌やウイルスはどうしているかというと、色々な微生物が寄り集まる場所(口腔や腸管内)で遺伝子をもらったりあげたりしているのです。
新型インフルエンザウイルスの場合は人間や鳥に感染するウイルスが豚の細胞内で交わって遺伝子が変わってしまうからと考えられています。
淋菌も何故か人間と同じ遺伝情報を持っていることが分っています。
日本には国民皆保険があるためか他の国の人よりは抗生剤を使う機会が多く、その分抗生剤耐性菌がより増加しているようです。
今回の新型の淋菌も同じナイセリア属の口腔内の常在菌から抗生剤耐性能力の遺伝子をもらったと推測されています。
「朱に交われば赤くなる」ということで微生物の悪賢い知恵は移されていくのです。
ナイセリア属というのはグラム陰性の双球菌です。そのうち病気を起こすのは淋菌と髄膜炎菌で、その他は病気を起こさない口腔内の常在菌です。
問題はここからです。季節に関係なく長い間鼻炎が治らない人の中に淋菌と似た反応(氣の滞り)のものがあります。
新型の淋菌が同じナイセリア属の常在菌と交わることで進化したなら、常在菌の方も淋菌の病原性を貰い受けたこともあるのではないかと思います。
しかもこれらはときに飛沫により感染することがあると思われます。そうするともはや性感染症として他人事で済ませることはでません。
もちろん抗生剤は効果的ではありませんので、そう簡単には治りません。
淋病だとおすすめの薬膳もあるのですが、常在菌にはこれといって効果的な薬膳も見つからなかったので、一応スチーマー(フェイススチーマー プリューム)をおすすめします。
グラム染色というのは紫色の染料による染まり方で病原菌を2つのグループに分けることができる便利な検査です。
一般的にはグラム陰性(染まらない)のほうが陽性(染まる)よりも病原性が高いと言われています。
朱と交わっても染まりきらないというのは、それだけ強いということでしょうか。
耐性菌の多い日本では風俗に行っても行かなくても感染しないよう強い抵抗力を付けておかなくてはいけないようです。
吉祥果 2012/5/17
仙人が住むところといえば人里はなれた山の上で、いかにも地の気と天の気が満ちている所というイメージがあります。 不老不死になるためにはどのような修行を行うかも重要ですが、良い氣が満ちた場からエネルギーを取り入れるということが先ずは必要なのでしょう。
中国の伝説では、天界には仙女西王母の『播桃』の果樹園がありました。
この園の播桃は
前列の1200本は三千年に一回実り、これを食べると仙人になる。
中列の1200本は六千年に一回実り、これを食べると不老長寿になる。
後列の1200本は九千年に一回実り、これを食べると日月と同じ寿命になる。
と言われていました。
仙桃は仙人になる食べ物と言われますが、人間は三千年生きることはできないので正確には仙人が食べられる不老不死の実ということでしょうか。
物語では武帝が播桃をもらって数個食べたところ、大変おいしかったので自分の庭に種を蒔きたいといったところ、
西王母に無理だと言われたということです。数個食べたくらいでは三千年は生きられないということだったのか、
地上では仙桃は実らないということだったのか、それとも所詮人間には仙桃の効果は現われないということだったのでしょうか。
果物は仙人が自然の氣を取り込むように、その場の地の氣を取り込んでいるようです。 その中でも播桃は格別にその力は強かったのでしょう。残念ながら現代では簡単に手に入れることはできません。 同じ様な効果があって手に入れやすいものはトルコ産のざくろジュースだと思います。
エデンの園の「禁断の木ノ実」はリンゴと特定されているわけではありません。
他にブドウ、ザクロ、ナツメヤシ、イチジクが栽培されていたのでざくろであった可能性もあるのです。
仏教ではざくろを【吉祥果】と呼ぶことがあります。
仙人が食べれば不老不死になるところですが、人間が食べても自然治癒力を高める働きはありそうです。
登龍門 2012/5/24
人気商売や選挙を「水物」と表現することがあります。説にはいくつかあるようですが「水商売」と関係があるようです。
戦国時代が終わり江戸時代になると治水事業や湾の埋め立てが進みました。この埋立地では井戸を掘っても良い飲み水が確保できず、
そのため水を配る商売というのが始まりました。そのうち街路や境内でも休憩所として水茶屋が作られました。
さらに一部では客を集めるために美しい看板娘を置くようになったようです。
【人気】というのは魔物のようなところがあり何かに紹介され急に人気になっても、実力が着いていかず、その波に押しつぶされるということも珍しくはありません。
【龍門】とは夏朝の皇帝・禹がその治水事業において山西省の黄河上流にある龍門山を切り開いてできた急流のことです。
伝説では急な龍門を登りきった鯉は龍になるといわれており、そこから若者が実力者に才能をに認められると将来の出世が約束されることであり「龍門に登った」といわれるようになりました。
努力の末に登龍門と呼ばれるような有名なコンテストで良い成績を収めたとしても、全ての人が人気や名声に恵まれたかというとそうではありません。
名声を得るにふさわしい人を選ぶのは天馬ペガソス(ペガサス)です。
ギリシャ神話のペガソスは教養や名声の象徴とされ紋章に用いられたりします。
この馬はメデューサを退治したペルセウスや、怪物キマイラを退治したベレロフォンなどの英雄の乗馬となり、その活躍を支えました。
しかし、気性の荒い馬であり乗る人を選んだと言われています。
ペガソスがヘリコン山を駆け登ったとき、蹄の跡から水が湧いてヒッポクレネ(馬の泉)という水源になりました。
ここの水は神々の芸術や預言の力の源泉となったと言われています。
運気は足元から入ってくるものが多いと考えていて、龍や天馬が暴れないようにと足に化粧水を塗ったりしますが、そのときは湧泉穴のある足の裏には塗らないようにしています。
黄金のサイダー 2012/5/31
仙女の果物が桃だとすれば、魔女にはリンゴというイメージがあります。
キリスト教が広まる以前のゲルマン人の伝説が反映されているという北欧神話では、
神々は【黄金のリンゴ】を食べていたために不死身でいられたといいます。
日本でもビタミンや酵素が多い果物は「朝の果物は金」と賞され、健康に良い食べ物です。
しかし、実際のところ、果物でも体に良いのは極一部で、後は単なるおいしい食べ物です。
ヨーロッパでは「医者いらず」といわれるリンゴですが「黄金のリンゴ」の神話から影響を受けているのかもしれません。
ロシア南部が原産地とされるリンゴは、寒い地域でも育つことからイギリスで多く植えられました。
安全な飲み水が得られない地方では、ぶどう酒やビールなどのアルコールを水代わりにしてきましたが、
ヨーロッパでもリンゴを醗酵させリンゴ酒を作って利用していたようです。
このリンゴ酒はイギリスでサイダー(cider)、フランスではシードル(cidre)と呼ばれています。
日本のサイダーというのはアメリカのノンアルコールのサイダーから来ているのだと思われます。
「黄金のリンゴ」を意味する語は多くの言語でオレンジを指しており、ときにはマルメロを意味しますが、
このマルメロはチャツネにすると若返りの薬膳になると思われます。
昔ながらのイギリスのサイダーもマルメロのチャツネ同様ちょっと若さを取り戻す作用がありそうです。
今でも一部の修道院では昔のレシピのままサイダーが作られているという話です。
古代中国では張仲景が薬だけでなく薬膳のレシピも残していたということですが、
イギリスの魔女も魔法の薬だけでなく、若さを維持するためにこっそり特製サイダーを手作りしていたかもしれません。
2012年6月
足はかすみ草の香り 2012/6/7
足のくさい臭いは【イソ吉草酸】が原因とされています。以外にもこのイソ吉草酸は微量ながら、かすみ草の香りにも含まれているそうです。 また、イソ吉草酸はアルコールでエステル化するとリンゴ、メロン、イチゴなどの果実系の香料にも使われるのです。 臭いは好みもありますが、濃度やちょっとした変化で随分と感じが違うものになるようです。
足臭以外に腋臭や口臭からもイソ吉草酸が確認されていますが、足ほどの強烈な感じはしません。
腋臭の場合、腋に気滞(氣の滞り)があります。口臭の場合口腔か胃に気滞があります。
ところが足臭の場合はなぜか頭の奥に気滞があります。
はじめは勘違いだろうと気にはしてはいなかったのですが、別の人でも同様に頭部に反応があるのです。
気滞の部位を詳しく調べると第4脳室脈絡叢の辺りでした。
そういうことからも足臭が特に不快な臭いなのは、濃度だけでなくほかの物質が関係しているのではないかと思います。
脳のくも膜下腔という所には血管がたくさん走っていて、ここが出血した場合「くも膜下出血」という病気になります。
くも膜下腔はくも膜と【軟膜】に挟まれた空間で、そこには脳脊髄液があります。脳脊髄液は脊髄の周りと第4脳室から続く脊髄中心管をも満たしています。
脳室の内壁はくも膜下腔同様、軟膜があります。
この脳室の内壁の一部がぶどうの房のように突出したのが脈絡叢という部分で、ここで脳脊髄液が作られています。
美肌の大敵と思われているメラニンですが、メラニンを作るメラニン色素細胞は表皮だけでなく目や毛母そして軟膜でも作られているのです。
紫外線が肌に当たると表皮で活性酸素が作られます。
その活性酸素からメラニン色素が作られるので、活性酸素もメラニン色素もなくなってしまうと紫外線が真皮を傷つけてしまい回復困難なしみやしわを作ってしまうのです。
活性酸素やメラニンがあってこその美肌です。
脳の軟膜にメラニン色素細胞があるのも脳血管を守る何らかの働きをしているのかもしれません。
純粋なイソ吉草酸を嗅いだことはありませんが、足の臭いほどではないのかもしれません。
不快な足のにおいに成長するにはメラニンが何らかの関与をしているのではないかと推測しています。
パパイヤジュースとトマトジュースを半々とパインのドライフルーツを刻んでゼリーで固めます。
年に一度程度で改善の効果はあると思います。
紫外線対策にはシルクの下着とザクロジュースも効果的と思います。
ガゼルのような足 2012/6/14
果物がおいしい季節ですが、果物の中には食べてはいけないものやなるべく食べないほうが良いものがあります。
また、生で食べると大丈夫なものでもシロップ漬けにすると良くないものが多いのです。
同様に木の実も意外とややこしい食べ物です。たとえば栗は、栗ご飯だと良くないのに栗おこわにすると大丈夫です。
ゆでた栗はダメですが、天津甘栗のように煎った栗は大丈夫です。そして果物とは逆にシロップと相性が良い。
マロングラッセは何故か体に良いのです。ちなみに甘露煮だと悪くは無いのですが特別な効果はありません。
昔は「カモシカのような足」と言うとすらっと長い足をほめる言葉でした。 実際のニホンカモシカの足というのはずっしりした感じのためか、最近は使われなくなりました。 本当は「カモシカのような足」という時のカモシカというのはニホンカモシカのことではなく、 インパラやガゼルなどの種を指していたらしいのです。昔は同じ仲間とされていたのでカモシカと訳されたようです。
太ももの太さを気にしている女性も多いと思いますが、部分やせというのはなかなか難しいものです。 でも、しいてその為の薬膳を挙げるとすれば「マロングラッセ」です。 カロリーが気になるところですが、マンゴープリンを食べるよりはずっと健康的です。
初夏に南天の花が咲きます 2012/6/21
50も過ぎると心の老化だけではなく脳の老化が始まり、その変化がからだの確実で明らかな老化へとつながっていきます。 著名人の中には高齢でも見た目や話し方が若々しく、精力的に仕事をこなしている方がいらっしゃいますが、その方たちは前頭葉が若い人が多いようです。
前頭葉を若返らせるためには気持ちを若がえらせることが必要です。最も一般的なのは恋をすることです。 恋愛をするとA10神経が刺激され前頭葉は活性化されます。それができないという人は「恋がしたい」と心の中で呟くだけでOKです。 行動を起こすつもりが無くても大丈夫です。逆に「面倒だ」と心の中で呟くと気持ちは老化していきます。
心の中で呟くのも「面倒だ」という人はピンク色の物を身につけると良いと思います。 赤色の下着が体温を上げるように、見えないところであってもピンク色のものは体に影響を及ぼします。 ピンクのハローキティ、ローズクオーツのピアス、チェリークオーツのブレスレットであれば尚効果的です。
男性でピンクはどうしても嫌だという人のために最も簡単な方法に、パソコンの壁紙に『南天の花』の写真や絵を使うという方法があります。
植物にはそれぞれ異なる波動があり、それを利用して薬や薬膳を作ります。最近、絵や写真、造花としても波動が利用できるということが分ってきました。
ちなみに、南天の花言葉は『私の愛は増すばかり』です。
みどりの収斂効果 2012/6/28
夏の化粧水と言えばアストリンゼントです。アストリンゼントとは収斂作用という意味で、毛穴を引き締めたり、むくみを減らす効果があります。
日本ではヘチマ水を化粧水として利用してきましたが、水道水よりはましな程度で、自分でヘチマを植えるまでの価値はありません。
また、昔は手作りのパックといえばレモンかきゅうりでした。
レモンはソラレンという成分が含まれており、逆にしみができ易くなるのでやってはいけません。
きゅうりパックも同様の理由から敬遠されがちですが、実際はそのようなことは無く収斂作用があって効果的なのです。
きゅうりの水溶性食物繊維がソラレンの作用を抑えているのではないかと推測しているのですが定かではありません。
きゅうり水の成分が皮下に浸透し美白効果とリフトアップが期待できます。
ただし、化粧水のようにつけるだけでは効果は出ないため、30分はパックしないとダメです。
コンビニでもらうおしぼりで簡易のパックシートを作り、すりおろしたきゅうりの絞り汁をしみこませて使います。
使い捨てのおしぼりが肌に害を与えることは無いので心配はいりませんが、正しい使い方ではないので自己責任で行ってください。
日本の梅雨や夏は下肢がむくみ易くなります。これにはリンパ系に働きかける『うざく』も良いのですが、 より高い収斂作用のある食材があります。それはキャベツです。 キャベツに含まれるコハク酸に収斂作用があるようです。コハク酸は結合しているミネラルによってその作用はぜんぜん違ったものになります。 シジミなどの貝類に含まれるコハク酸は旨み成分ですし、にんじんに含まれているコハク酸は血圧を下げる効果があるようです。
キャベツは煮込むとむくみに効く作用は無くなってしまうので、炒めるか蒸すのが良いでしょう。
おすすめは、「豆腐とキャベツのチャンプルー」です。内転筋を刺激して筋肉のポンプ作用も高めるなら、ウインナーと味付けウズラ卵、溶き卵、コンソメ顆粒少々を加えてレンジ蒸しにします。
利尿作用があるということでゴーヤチャンプルーを勧める人もいますが、それほどの効果もありませんし、ゴーヤ自体そんなにおすすめする食材ではありません。
毎年必ず9月に入ってゴーヤが原因の胃痛を見つけます。ゴーヤが胃と密接な関係にある卵巣に作用したためと思われます。
古代中国では春・夏・秋・冬の働きを成・長・収・蔵と表現しています。秋は元々収斂の働く季節なのに、さらに収斂作用の強い苦い野菜を食べたりすれば体が弱ってしまいます。
緑のカーテンで沢山実ったとしても、秋になったらゴーヤは食べないほうが良いでしょう。