食前酒 2014/7/3
先月、梅酒作りの名人を紹介するテレビ番組がありました。
その方80歳を超えていらっしゃいましたがまだまだ研究熱心で生まれ変わっても梅酒を作りたいとおっしゃっていました。
彼女は梅酒や梅干しによって健康になれたという実感があるということでしたが、確かに彼女は梅に非常に合う体でした。
また、別の方の話ですが、外国の80歳を超えて現役のモデルをしているという女性は毎日レモンジュースを飲んでいました。
この方もまたレモンに非常に合っている体質だったのです。
梅とレモンは若さを保つことに役立ちます。梅は老化予防に効果がありますし、 レモンのほうは若返りの効果があります。
最近流行りの『塩レモン』ですが、食品ブームにおいて久々の本当に効能のある食品です。 若返りのほかに骨粗鬆症予防にも効果があるのではないかと思います。 ただし、発酵食品ですので酵母菌に負けてしまう危険性はやっぱりあります。
そして問題の梅酒です。
日本人のすべてが梅に合っているというわけではありません。
梅干しに合っていない人が健康のためと毎日梅干を食べれば逆に老化を促進することになってしまいます。
そして梅干し以上に、患者さんを診ていて出会うのが梅酒が原因の気滞(気の滞り)です。
果物というのはそのまま食べると体に良くないものが多いのですが、ドライフルーツにしたり果実酒にすると多くは良いものになります。 でも梅酒を家庭で作るときはホワイトリカーを使います。 このホワイトリカーが体に悪いため、これで作った梅酒を飲むと梅に対しても体は拒否をするようになります。 そうすると梅で作った食品すべてが合わないという体質になります。
暑気払いとして冷たい梅酒を食前に飲みたいときは、チョーヤの梅酒がいいと思います。 また、梅酒に似たアンズ酒も「老化予防」と「若返り」の両方の効果があるのでお勧めです。
トップへ | 目次へ巻き爪 2014/7/10
巻き爪は専門的には陥入爪と呼ばれる病気です。
食い込みが強くなるとそれによる痛みもありますし、時には感染を起こすこともあります。
それに爪の角を趾に食い込ませたりしない為に、なるべく爪は少し長目にして角も切ったりしない方が良いのですが、
爪が長いと足先をぶつけた時は危険ですし、爪の角でタオルケットに引っ掛かったりと日常生活においては地味に厄介な病気です。
巻き爪は硬くて無理やり広げてもその時だけで、またもとに戻ってしまいます。 良い治療法もないので放置すると少しづつ進行して、高齢者になると爪が筒状になる場合もあります。
頑固な巻き爪ですがその原因となる爪の両側にある気滞は意外にも弱くて小さいのです。
治療に来ることができない人にお勧めするメニューは<厚揚げ+コーン>です。 でもこれは一緒に料理してはダメです。厚揚げの煮物とコーンサラダのように別々の料理にして一緒に食べて下さい。
トップへ | 目次へあんかけ 2014/7/17
健康に役立つ金沢の郷土料理は、まずはかぶら寿司、次になすそうめん、そして3番目に入るのは治部煮です。
治部煮は鴨肉にまぶした小麦粉でとろみがつきますが、このとろみとだしが合わさって神経系を良くします。
一般的に料理でとろみ付けに使われるのはじゃがいものでん粉である片栗粉です。
片栗粉と鶏肉で治部煮風の煮物でも効果は同じなので家でも簡単に作れます。
また、枝豆を具に使ったあんかけ茶碗蒸しは、カビなどの悪玉腸内細菌を減らす効果があります。
枝豆以外の具を加えても問題ありません。
片栗粉や小麦粉以外にとろみが出るものに葛粉やコーンスターチがあります。
片栗粉や小麦粉は良いコだとすれば葛粉は普通のコ、コーンスターチは悪いコです。
よく片栗粉の代用としてコーンスターチを使っても問題ないという人がいますが、
問題おお有りなので注意してください。
三悪 2014/7/24
世の中には体に良くない食材や組み合わせが沢山あります。 それを全部守ろうとしたら何も食べるものがなくなる、と言われることがあります。 確かに私は食材選びには迷うことはないのですが、患者さんにしてみれば何を買ってよいのか判らないと言うのはもっともなことです。
そこで、最低限スーパーでこれは買わない方が良いと思うもの3つを挙げたいと思います。
第1位…コーンスターチを使ったカスタードクリーム
第2位…豆腐
第3位…トラウトサーモン
第4位にはマーガリンやベーコンなど沢山の食材が入るので、やはり上の3つは格段に問題です。
私が良く食べる豆腐は堅豆腐ですが、これは健康食品です。 それ以外で時々食べるのはおぼろ豆腐です。おぼろ豆腐の中には大丈夫なものがいくつかあります。 しかし、絹ごし・木綿の豆腐はなかなか良いものがなく何年も食べていませんでしたが、最近体に良いお豆腐を見つけました。 北陸地方にだけあるスーパーかもしれませんが albis というスーパーの「黄金とうふ」です。 私が出かけるいくつかのスーパーの中で食べても良いと感じるものはこれだけでした。
そしてカスタードクリームですが、2位3位を引き離しぶっちぎりの1位です。
スーパーで売られているカスタードクリームが入ったシュークリームやケーキなどにはほとんど〈加工でん粉〉が使われています。
加工でん粉がすべて悪いわけではなくコーンスターチを原料とする加工でん粉がバニラエッセンスと合わさって良くないものになっているのではないかと思います。
表示を見ても〈加工でん粉〉としか書かれていないのでその原材料までは分かりません。
町の洋菓子店の商品がみな体に良いというわけではありませんが、
カスタードクリームを使ったお菓子に関して言えばスーパーやコンビニより体には優しいと思います。
朝の選択 2014/7/31
ある患者さんの治療をしていてごま油と思われる気滞の反応があり、ごま油を使わなかったかと尋ねたのですが使ってないという答えでした。
何度確認してもごま塩でもなく、すりごまでもなくやっぱりごま油なんです。
会話をしながら治療して、終了間際に原因が判明しました。その患者さん、パンにごまみそを塗っていたんです。
ごま油とパンの組み合わせというのは実は良くないんです。
その方、私にジャムもマーガリンも体に悪いと言われ、ごまみそを塗ってみたら意外にイケたということなんです。
別の患者さんは同じようにジャムもマーガリンも体に悪いと言われパンに納豆を付けて食べていました。
こちらのほうは何も問題はなく、むしろ体に良い組み合わせになっていました。
体の気の流れを幾分良くしてくれます。
納豆はジャム以上に垂れやすいのでパンを一口大に切ってから載せると良いです。
神様の食べ物 2014/8/7
沖に見える白波のことを「うさぎが跳ねている」と表現することがあるそうです。 出雲神話の中の「因幡の白兎」ではワニ(鮫)を並べてその上をうさぎが跳ねて島に渡ろうとしたという話ですが、 登場する動物にウサギを選んだのは白波がうさぎの跳ねる様子に見えたことが影響しているのでしょう。
海においてその様子がまるで別のものに見えたという話では他に人魚伝説があります。 外国では人魚の正体はジュゴン、日本ではリュウグウノツカイという魚が女性のように見えたのではないかと言われています。
日本では人魚の肉を食べて800歳も生きたという女性〈八百比丘尼〉の言い伝えがあります。
彼女は日本の各地を巡ったと言われており、それぞれの地で少しずつ異なった言い伝えが残っているようです。
能登にも八百比丘尼の話があり、それによるとあるところで振る舞われた料理が人魚の肉であると知ります。
みんなで相談し食べずに帰り道で捨てようと決めたのですが一人の男だけうっかり家に持ち帰ってしまいました。
そこで男は家族が食べたりしないようにと吊るしておいたのですが、何も知らないその家の娘が見つけて食べてしまったということです。
八百比丘尼に出てくる人魚というのはリュウグウノツカイだったのでしょうか。私は多分それは鮫ではなかったかと思います。
鮫料理というとまず鮫の身を揚げたり鍋にしたりして、味は美味しいらしいのですが若返り効果があるとは言えないようです。
次に鮫のヒレを使った「フカヒレのスープ」ですが、これには若返り効果があります。コラーゲンが多いことと乾物であるというのが良いみたいです。
そしてもう一つ気になる鮫の料理に「さめのたれ」というのがあります。これは鮫の身を干したものです。
これはアワビや鯛の干物と同じように伊勢神宮の神様へのお供え物の一つになっているものです。
地元で食べられるときには炙って食べるということでしたが、炙らなければ多分フカヒレ以上に若返り効果があるような気がします。
能登で伝わっている八百比丘尼となった娘は、吊るしてある人魚の肉を食べたということですが、鮫の干物だったのではないでしょうか。
トップへ | 目次へ食の思想 2014/8/14
何年も前のこと「なぜ戦後の母親は娘に料理を教えなかったのか」というテーマの特別番組がありました。
何人かの女性の半生を振り返る形で進められていましたが、あるひとりの女性が話しました。
娘時代は、戦争のせいで料理らしい料理を食べたり作ったりという体験がない上に、
戦争が終わると今度は見たこともない新しい外国の料理が次々登場してきた。
結婚し子供ができて試行錯誤、見よう見まねで料理をし、ちゃんと娘に教えるだけの自信がなかった。
現代の小学校や幼稚園では食育の一環で、学校で野菜を育てて実りの時期にはみんなで調理したり、給食で頂くというのがあります。 こういう行事で時々じゃがいものソラニンという毒による集団食中毒が起きてしまいます。
じゃがいもというのはアンデス原産の植物ですが、もともと毒があってそのままでは食べられなかったそうです。 それをインカの時代から人は長い年月を費やして食べられる野菜に品種改良をしてきました。
ソラニンはじゃがいもの芽や日光に当たって緑色になった表面にあるので、芽を取り除き皮を厚めにむきます。 これは誰でもが知っていることですが、未成熟なじゃがいもは緑色でなくてもソラニンが含まれています。 全体的に含まれているので皮をむいてもむかなくても同じです。
未成熟なじゃがいもは店頭に並ぶことはないのですが、売られているものでもちょっと注意が必要な場合があります。
それは新じゃがです。
新じゃがは通常のじゃがいもよりも小さめです。これにはソラニンが幾分か残っているのだろうと思います。
普通の大人なら問題ないのですが、小さな子供やソラニンに弱いタイプの大人はこの新じゃがを食べて体調を崩すことがあります。
でも料理の仕方によってはソラニンに弱い人でも食べられるようになります。
その1つは素揚げにすることです。そして茹でたり煮たりした場合にはカニカマと組み合わせることです。
毒のある植物や動物はいっぱいあります。食べ物に感謝し無駄にしないということは当たり前のことですが、 一物全体食と言って丸ごと食することは危険です。 フグの卵巣のぬか漬けは毒消しに成功したまれなケースです。基本は毒のある部位を食べないことです。
また、身土不二というのは本来、自分と環境は切り離して考えられないという仏教用語ですが、 地元の食材や伝統食がその地に住む人間に一番合っているというような勝手な解釈をして、 伝統野菜を復活することがあります。消えていった野菜には消えていくだけの理由があったはずです。 栽培が難しいという場合もあったかもわかりませんが、中には体に悪い成分があって自然と食べられなくなったというのもあるかもしれません。
そして、その二つの思想の悪いとこ取りをしたようなものが雑穀ご飯です。 胚芽を取り除いていない玄米はたとえ無農薬でも古代にはなかったような毒が多く含まれていますし、 黒米は精米しても白米より体に良くないです。また、いくつもの種類を混ぜてあるのでその組み合わせの悪さもあります。
戦後の母親たちは、それまでの社会の価値観や思想が一日で変ってしまうという体験をしました。
彼女たちは自分の料理の知識や技術が正しくないかもしれないという思いがありました。
最近は科学論文でさえ信用ができない時代です。
自分が信じてきた知識ややり方は本当に正しいものなのか疑ってみる必要があります。
合食禁 2014/8/21
合食禁(がっしょくきん)というのは悪い食べ合わせのことです。 ’天ぷらに西瓜’’鰻に梅干し’などがそうです。 これは現代では迷信として価値のないように言われていますが、実は昔から言われている組み合わせの多くは正しいと思います。 但し、体質によるので何ともない人にとっては迷信としか思えないのでしょう。
鰻と相性が悪いのは梅干しというよりも多分一緒に漬け込んだ紫蘇が合わないのだと思います。 この組み合わせで下痢をするかもしれませんが、それよりも男性の若禿を進行させるかもしれないので要注意です。
意外に悪い組み合わせが多いのは蕎麦です。 古い記録でも’蕎麦に猪・羊’’蕎麦にタニシ’は良くないとされています。 動物性の食材で合うのはとり肉・鶏卵・魚・海老でしょうか。 つまり鴨南蛮やにしん蕎麦は良くても肉蕎麦や角煮蕎麦はダメです。 天ぷらではエビ天は良くてもイカ天は良くありません。
蕎麦の合食禁の場合、神経系の働きを悪くするので便秘や認知症の悪化ということが考えられます。
でも、逆に蕎麦が神経系に働きかけるということを利用すれば便秘や認知症の改善ということにも使えるかもしれません。
おすすめは’海老天ざる’です。
気の果て 2014/8/28
紅茶には沢山の種類があります。 セイロン、ダージリン、イングリッシュブレックファースト、ロイヤルミルクティー、チャイ… でもこれは茶葉の種類ではなく栽培された土地やブレンド、飲み方などによる違いです。
紅茶には緑茶と同じチャノキの葉で作られたものと、チャノキの変種であるアッサムチャの葉で作られたものがあります。 チャノキのほうは日本茶と同じようにそのまま飲むのに適していて、アッサムチャのほうはミルクティに合います。
緑茶と同じチャノキの紅茶は健康に役立つ優れた飲み物ですが、アッサムチャのほうはそれほどでもありません。 ところが、交配が進んだこととブレンドされて商品になっているため、純粋なチャノキの紅茶を選ぶということは困難です。
しかしアッサムチャにもチャノキの紅茶と別の役立つ効能を持つものがあります。それはアールグレイとジャスミンティです。 アールグレイというのは柑橘類のベルガモットで香りづけをした紅茶で、 ジャスミンティはジャスミンの花で香りづけした紅茶です。
気は体の中と外にあって自分の気の場を作っています。
これは自分の体をすっぽり包む球体の形です。
気の場を細胞でたとえるなら、体の外にある気は細胞膜に当たります。
細胞膜は中身である細胞質が流れ出ないための袋であるとともに、必要な酸素や栄養を取り込み老廃物を排出するというフィルターでもあります。
体の外の気も、体を出入りする経脈の気を場に留めておく役割がありますし、健康に役立つ気を選択的に取り込み気の老廃物を排出するゲートの役割もしています。
こころの気の老廃物がいつまでも場に留まるとうつ気分から抜け出しにくくなるのですが、
アールグレイはその排出を促してくれます。
また、体の気の老廃物が増えると体は病気しやすくなりますが、こちらはジャスミンティが排出を助けてくれます。
アールグレイは水出しで、ジャスミンティはお湯で作ると効果が高まります。
野菜≒毒≒薬 2014/9/4
生野菜や果物で体調を悪くしている人は少なくはありません。 患者さんになぜそんなに生野菜を食べるのかと聞くと「栄養があると思って」と言われます。 私の野菜のイメージは毒です。
じゃがいも程ではないにしろ植物には多かれ少なかれ人間にとって害になるものが含まれています。 そういう毒があるからこそ漢方薬のような薬として利用できるのです。
生薬でありスパイスでもある八角は単品で用いるとかなりの毒です。
でも他のスパイスと組み合わせて五香粉となると健康に役立つものになります。
このように毒をうまく利用した日本の香辛料があります。
それはゆず胡椒です。
ゆず胡椒には黒コショウが使われていると思っている人が未だにいるようですが、あれは青唐辛子の辛さです。
青唐辛子は辛いだけではなく、体にも毒です。熟した赤唐辛子と違って乾燥させてもやっぱり毒です。
しかし、その毒がゆずによって役立つものに変わるんです。
辛子明太子 2014/9/11
日本の加工食品のNo.1は辛子明太子だと思います。
このサイトで紹介する食材のほとんどが症状の改善つまり、薬膳の材料です。
でも、辛子明太子は薬膳でもなく長寿食でもなく、強いて言えば再生食でしょうか。
切り傷は治っても傷跡が残ることがあります。 内臓の炎症でも同じように元に戻らない組織の変性が残ることがあります。 このように元に戻らない微細な障害に働きかけるのが辛子明太子だと思っています。
加熱すると効果はなくなるのでそのままで食べるのが一番です。 マヨネーズを加えて辛子明太子スパゲッティにするとめまいの薬膳になります。
トップへ | 目次へ鮭フレーク 2014/9/18
日本の加工食品のNo.2は鮭フレークです。
排気ガス、洗剤、食品添加物など何らかの化学物質に弱くなった人はいつもどこか不調で、いわゆる虚弱体質と言われる人です。 こういう人は西洋医学の薬にも弱くなっている場合が多いので体質改善が必要です。 鮭フレークはこういう場合の体質改善食です。
長寿食というのは時々食べるというので良いのですが、体質改善食というのは毎日食べるのが基本です。 その期間は場合によって異なります。2週間の人もいれば3か月間続けてもらうこともあります。
販売されている鮭フレークが最も簡単で使いやすいのですが、
鮭のシーズンでもあり手作りしたいという方にはいくつかの注意が必要です。
鮭はトラウトサーモン以外の物を選んでください。焼いたり炒めたりすると体質改善の効能はなくなるので
電子レンジだけで作ります。毎日食べるのでアレルギーにならないよう加えるものを少なくして、
洋食にも合わせることを考えれば酒だけで作るのが良いと思います。
食べる量は一日小さじ一杯程度です。マヨネーズと和えたりしても構わないのですが、焼いたり炒めたりはできません。
トップへ | 目次へKing of Kanikama 2014/9/25
日本の加工食品のNo.3は蒲鉾です。 蒲鉾類には竹輪、板付き蒲鉾、笹かまぼこ、カニ風味かまぼこ、揚げ蒲鉾などいろいろありますが、 薬膳の材料として最もよく使うのはカニ風味かまぼこです。
カニカマはスギヨの物を使います。地元の会社でもあり、なんといってもカニカマを発明した会社だから…という訳ではありません。 多分ほかの会社と材料も作り方も大きな違いはないはずなのに他の会社のカニカマは特別な効能は感じられません。
普段は一番安いカニカマを使っています。カリブじゃなくてもこれで十分です。 でも香り箱はやっぱりちょっと違います。 紫蘇ふりかけと香り箱の混ぜご飯は若返り効果があります。安いカニカマではこの効果は出せません。 この混ぜご飯は神様の食べ物干し鮫と同じ効能だと思います。
トップへ | 目次へハニートラップ 2014/10/2
砂糖が体に良くないという話をすると「はちみつは体に良いからはちみつを使うようにすればいいですね」
と言う方がいらっしゃいます。そうすると返答に困ってしまいます。
はちみつは栄養価が高く滋養強壮の食材ですが「料理に使わず程々に」と答えています。
非加熱のはちみつにはボツリヌス菌が混入している場合があり、 まだ腸内細菌が整っていない1歳未満の赤ちゃんが食べると乳児ボツリヌス症を起こす危険があります。 販売されているはちみつの多くは加熱処理がされていているのでそういう意味では良いのですが、 その代りビタミンなどは壊れて栄養面でいうとその価値はほとんどなくなってしまいます。
人類はかなり昔からはちみつを利用してきました。
エジプトでは古くから養蜂が行われており、はちみつ入りのパンを作る様子が壁画にも描かれています。
それ以外にもミイラ作りに使われたり、外用薬などの沢山の処方がパピルスに書かれていたということです。
また、古代ギリシャでも外用薬として使われていましたし、
インドのアーユルヴェーダ医学でも眼病、喘息などの様々な病気の薬として利用されてきました。
アーユルヴェーダでははちみつを加熱すると毒になるといわれています。
以前、外国産のはちみつを食べてツツジ科の毒による中毒症状が出たというニュースがありました。
一説では花の蜜の毒性は加熱によって増悪するのではないかと言われています。
花の蜜の毒に対してはそれを弱める方法があります。
蜂蜜酒にしたりパンに入れて発酵させてしまうことです。
それでエジプトでは蜂蜜酒を飲んだりはちみつ入りパンを食べていたのかもしれません。
はちみつは花の蜜を蜂の唾液で加工したものです。
この唾液もまた熱によって毒に変化しているのではないかと推測しています。
はちみつを使った料理を見ると、鶏の照り焼きや豚の生姜焼きなど肉だけの料理では問題がないのですが、
かぼちゃの煮物など野菜との組み合わせでは内臓を弱らせる食べ物になってしまっています。
それだけでなく、はちみつを使ったホットドリンクも同様の反応です。
アーユルヴェーダでははちみつをお湯で割ることも良くないと言われており、
薬の部分だけでなく毒の部分についても良く理解されていたのだと思います。
加熱調理に使えるはちみつはレモンを漬けこんだはちみつです。 レモンのスライスをはちみつに漬けて冷蔵庫に3日寝かせればお湯で割って飲めます。
トップへ | 目次へ夜中のトイレ 2014/10/9
就寝後、排尿のために1回以上起きることを専門用語で「夜間頻尿」と言います。
病気によるものや老化によるものなら夜間頻尿はずっと続きますが、
一時的という方は食べ物によるものかもしれませんね。
ウリ科の実の皮の近くにはシトルリンという利尿作用の成分があります。 スイカやメロンには皮だけでなく果肉のほうにも多く含まれています。
ウリ科のシトルリンは加熱しない分には皮膚の血流を良くするので美容に効果がありますが、 加熱すると一部は睡眠障害を起こす毒に変わってしまうようです。
スイカやメロンは加熱しませんが料理に使うウリ科で最もシトルリンが多いと思われるのが冬瓜です。 冬瓜の皮に近い緑色の部分にシトルリンが多く含まれています。 この部分をしっかり取り除かないと毒は脳に作用して睡眠が浅くなってしまいます。
睡眠が浅くなったこととシトルリンの利尿作用によって夜間頻尿の症状が出ます。 こういう時患者さんは「おしっこがしたくて目が覚めるのか、目が覚めるからトイレに行きたくなるのか分からないが、夜中にトイレに行くようになった」 とおっしゃいます。
カボチャは冬瓜よりシトルリンの量はかなり少ないと思われるのですが、冬瓜より良く食べられているので注意は必要です。
カボチャは皮の部分を食べ残すか天ぷらにするのが良いと思います。
カボチャは天ぷらにすると皮の部分を食べても問題ありません。
キュウリは調理法に関係なく皮ごと食べられます。
白黒つける 2014/10/16
髪には黒い食べ物が良いと言われます。
一般には東洋人の髪が黒いのでそんなイメージがあるのだと思いますが、
鍼灸や漢方薬関係の人でも黒いものが良いという人がいます。
それは老化が腎気の不足と関係しており「髪は腎の華」とも言われている事と、腎は五行(木・火・土・金・水)で黒色と同じ「水」のグループに属しているからだと思われます。
髪に黒い食べ物が良いというのは美白のためにメレンゲを顔に塗るというのと同じくらい幼稚な発想です。
白髪の原因には体質や老化が関係していると思いますが、 ヨード(ヨウ素)が関係した頭皮の気滞も原因の一つではないかと思います。
ヨードは日本人の場合主に海藻類から摂取します。
ヨードが不足すると甲状腺腫になりやすいので海藻を食べることは良いことです。
但し海藻を焼いてはいけません。
スーパーやコンビニでは海苔を使ったおにぎりやお寿司が沢山売られています。
昔から比べると海苔を食べる機会は多いように感じます。
しかもそれは焼き海苔です。
海苔は焼くことにより海藻の細胞膜が変化して旨味成分が口の中に溶け出しやすくなります。 しかしこの時、海苔の中のヨードも変化してしまうのではないかと思います。 焼き海苔が体に合わなくなった人は肩こりや腰痛という形で現れますが、そうでない人も少しずつ頭皮に蓄積されていくようです。
室町時代からある焙炉(ほいろ)という炭火で海苔を乾燥させる道具があります。
海苔を入れる箱の底は厚手の和紙になっています。
これだと海苔は焼けてはいないので悪くはなっていません。
炭火で焼かれた高級な焼き海苔が売られていますが、いくら高級でもこちらはダメです。
やっぱり焙炉とは違います。
海苔は農薬を排出してくれるので週に1回は食べた方が良いのですが、「焼き海苔」ではなく「板海苔」が良いです。
その他「乾海苔」や「味付け海苔」「刻み海苔」も大丈夫です。
ホワイトシチューに刻み海苔を掛けると頭皮のヨードの解毒の効果があります。
シチューはまずくなりますが年に1回程度で良いので食べてみてはどうでしょうか。
シロップ 2014/10/23
はちみつも良くないと判ると「メープルシロップはどうですか」と尋ねられます。
「使いすぎなければ問題ありません」と答えています。
メープルシロップも糖類であり決して体に良いものではないのですが、
はちみつのように使い方に注意が必要ということはありません。
シロップというと他に色のついたかき氷シロップやコーヒーに入れるシュガーシロップがあります。 これらが体に悪いと思っていいる人もいるかもしれませんが、特別悪いという訳ではありません。 メープルシロップやグラニュー糖と同じで上白糖より良い部類です。
ただしパンケーキとメープルシロップの組み合わせは虫歯になりやすい組み合わせです。 虫歯になりにくい組み合わせはパンケーキにきび砂糖シロップの組み合わせです。 でもこれとろみが足りないのですぐに浸み込んでちょっと残念な感じになります。
メープルシロップの模造品としてケーキシロップまたはパンケーキシロップと言われている物があります。 とろりとして見た目にはとても良い感じです。でもものすごく体に悪いんです。
ケーキシロップというのはコーンシロップにメープルの風味や香りを添加したシロップです。 コーンシロップはコーンスターチから作られたシロップのため粘性が高く、 そのためメープルシロップの模造品としては丁度良かったのでしょう。
トップへ | 目次へ入浴 2014/10/30
今年は夏からいきなり晩秋に移った感じで、けやき通りも例年より紅葉の色がきれいな気がします。
寒くなると温泉に行きたい、あるいは健康のためにお風呂で暖まらなくっちゃと思っている人も多いのではないでしょうか。
お風呂は親子のコミュニケーションの時間にもなりますし、銭湯ではご近所さんとの裸のつきあいというのもあります。
温泉旅館でのんびり過ごすというのは日本人の愉しみの一つです。
しかし、だからと言ってお湯につかるということが健康に必要とか役立つとは言い切れません。
先月、温泉偽装問題が発覚したというニュースがありました。 人をだますことは良くありませんが、水道水であっても温泉水であっても健康上はどちらでも良いことです。
温泉水にこだわるのは体に良い効能があると思われているからです。
温泉水はそれぞれのところで成分が違いますが、本当に効能があるのはラドン温泉(ラジウム温泉)だけだと思います。
ラドン温泉の効能は微細な放射線によるホルミシス効果です。
ホルミシス効果というのは「ある物質が高濃度あるいは大量に用いられた場合には有害であるのに、低濃度あるいは微量に用いられれば逆に有益な作用をもたらす現象」のことです。
鍼灸やホメオパシーもその1つと考えられています。
それよりも重要なのは衛生面です。 かけ流しでないところはお湯を循環させているので塩素殺菌がされていて水道水と同じです。 それでも雑多に人が出入りするので膀胱炎や前立腺炎というのは時々起る話です。
それで家風呂で入浴剤を入れてのんびりという人もいると思います。 入浴剤のほとんどは肌にとって良くもなければ悪くもありません。 でも今までに入浴剤による呼吸器のアレルギーの方は二人ほどいらっしゃいました。 ラドン温泉の効能もお湯につかるというよりはラドンの放射性ガスを吸い込むことが薬になっています。
それでも「冷えは万病のもと」と言うので入浴したほうがよいと思っている人も多いのですが、
冷えたから病気になるのではなくて、老化や病気があるから冷えるんです。
それに、入浴よりシャワーを浴び続けた方が体が温まると言う学者もいます。
お灸も体を温める方法の一つですが、一点だけに熱を与えるのがいいのです。
この温度差が治療効果のある刺激になります。
確かに怪我の後遺症や神経痛の場合はお湯につかった方が治りやすいということもありますが、 入浴というのは思っている以上にエネルギーの消費が大きいので、誰でもが毎日入るのが良いという訳ではありません。
トップへ | 目次へ幸せの瞬間 2014/11/6
幸せには2種類あると思います。一日を振り返り「今日も普通に過ごせたなぁ」と思うしみじみとした幸せと、 一瞬にして幸福感を味わう幸せです。
しみじみ感じる方は知的な作業ですし瞬間的に感じる方は本能的なため、感じる脳の部位が異なっているようです。
しみじみ感じる幸せは不幸せな出来事があっても、考えを切り替え見かたを変えて人生を生き抜く力を与えてくれます。
瞬間的に感じる幸せは難しいことは考えなくても、単純に生きていることが素晴らしいと思わせてくれます。
どちらの幸せも生きていく上には必要ですが、しみじみとした幸せより瞬間的な幸せのほうが脳は健康になる気がします。
瞬間の幸せには、この上ない美味しいものを食べたときや家族の笑顔を見たとき、 努力が報われたときなど色々ありますが、日本には四季があってそれだけでも永遠にしたいかけがえのない瞬間が沢山あるという幸せがあります。
トップへ | 目次へ金沢貧乏鍋 2014/11/13
大根はサラダ、なます、大根おろしなど生で食べるときは胃を健康にするとてもよい食材です。 切り干し大根も問題ありません。 しかし、漬物や煮物の場合は注意が必要です。
まず、普通に煮ると外側の皮の近くは美味しくありませんし体の外の氣(運気)を減らします。
内側の部分は肌の張りをなくさせるので首のしわができやすくなります。
そしてどちらも膀胱を弱らせて膀胱の病気を起こしやすくします。
大根の毒を消すには皮は厚めにむいて昆布だしで煮ます。
皮ごと煮た場合は昆布だしで煮て、ゆず味噌を付けて食べます。
そういう訳で大根料理はほとんど作らないのですが、時々どうしても食べたくなる大根料理があります。 それが金沢貧乏鍋です。
金沢貧乏鍋というのは、おすぎさんかピーコさんが昔テレビで紹介されていたもので、
名前の由来は金沢の香林坊のおかまに教えてもらった貧相な鍋料理というような事だったと思います。
大根とシーチキンを少なめの水を加えて煮るだけのもので、鍋というよりは煮物です。だしは少しなら入れても構いません。
この料理は不思議なことに昆布を使わなくても大根の毒が体に良いものに変わります。
油が沢山出ますが、効能があるのは大根の部分なので油は食べなくてよいです。
首肩の凝りを和らげ、肌の若返りにも効果があります。
たくあんの場合は2日程味噌に漬け込むと毒は消えます。 味噌を大豆味噌にすると、こちらも代謝を上げる良いものに変わってくれます。
トップへ | 目次へピザ 2014/11/20
チーズは優れた食材ですが、溶けたチーズは牛乳と同じように内臓の免疫力を弱めてしまいます。
最近では洋食に限らずありとあらゆる料理にチーズが使われています。
ファミレスのチーズインハンバーグにはデミグラスソースも掛かって子供の健康にとっては最悪のメニューです。
溶けたチーズなんて食べなくて良いのですが、溶けたチーズがなかったら存在が危ぶまれるものがあります。
それはピザです。
ピザの中で健康に良いのは<トマト+バジル+チーズ>のシンプルなマルゲリータのようなピザです。
溶けたチーズの害を消すにはトマトが一番で、生バジルも少し効果があります。
一方、溶けたチーズと相性が悪い食材は、ピーマン、ほうれん草、半熟卵、海苔、マッシュルーム、貝、ツナ&マヨネーズ…たぶん全ての食材だと思います。
こういう合食禁の多い食材はアレルギーになりやすい食材です。
溶けたチーズのアレルギーを予防するのはトマトソースとポテトの組み合わせです。
マルゲリータ以外のピザにはせめてポテトをトッピングあるいはサイドメニューに選ぶのが良いと思います。
そしてピザソースでピザトーストを作らないことです。 ピザソースに入っているオレガノは肉料理に使うハーブで、小麦粉とは相性が悪いです。 ピザの場合でも薄いクリスピーなピザには良いのですが、縁がパンのように膨らんだピザの場合は縁を残すのが正解です。
<チーズ+トマト+マヨネーズ>の組み合わせは内臓の若返りと老眼の予防に効果があります。 これをトースターで焼いて<溶けたチーズ+トマト+マヨネーズ>になると老化予防になります。
トップへ | 目次へふかし 2014/11/27
金沢には「ふかし」という食品があります。
蒲鉾とはんぺんの中間のようなもので、お吸い物や煮物に使われています。
蒲鉾より味が染みやすく、はんぺんのようにばかみたいに膨らんだりしません。
カニカマには負けてしまいますが、ふかしもかなり優れた健康食材です。
前立腺肥大の患者さんに何か良い食べ物はないかと尋ねられ、その場で一所懸命考えて黒蜜を使ったきゅうりの酢の物が多少良いのではと答えました。
しかし、その後でもっと簡単なものはないかと思って考え出したのがふかしを具に使ったコンソメスープです。
コンソメスープを味噌汁に変えたり、鶏ガラスープに変えると別の効能になります。
ふかしを製造している業者は何社もあるのですが、どこの商品も薬膳の効能があるかというとそうではありません。 金沢市内で製造されているものが良いのではないかと思います。
トップへ | 目次へ塩あんかけ 2014/12/4
中華料理が体に良いことの理由のひとつは、とろみをつけたりあんかけにする料理が多いということがあると思います。
天津飯というのは日本生まれの中華料理のためか、この料理のあんかけには「ケチャップ甘酢」「しょうゆ甘酢」「塩」の3つがあります。 地域によってなじみのものは違いますが、それぞれで効能にも違いがあります。
塩あんかけと玉子焼きの組み合わせは動脈硬化の予防になります。
塩あんかけ+玉子焼き+ごはんの組み合わせになると髪の健康にも効果的です。
しょうゆ甘酢はダイエットの効果がありますし、ケチャップ甘酢は前頭葉の働きを良くします。
ケチャップ甘酢+もやし+ネギは記憶力アップになります。
コーンスープ 2014/12/11
野菜の中で健康に役立つものは色々ありますが、1番と言われたら多分それはとうもろこしでしょう。 人間でもその人物の良いところは欠点にもなります。 最高のとうもろこしも下手に加工するとコーンスターチのように最低な物にもなってしまう訳です。
とうもろこし料理の中で最も健康に良いのはコーンクリームスープです。
コーンクリームスープには、レストランで出されるものからカップスープまでいろいろなものがありますが、
多くはとうもろこしの力が全く発揮されていません。0点です。
しかもレストランでは生クリームを最後に掛ける場合もあります。
生クリームはとうもろこしと相性が悪く、マイナス20点程にもなってしまいます。
それでしたら茹でたとうもろこしをそのまま食べた方が普通に100点の力を頂くことができます。
乳製品を使わない中華風コーンスープなら120点です。
一方、牛乳は健康に良くありませんが、バターを混ぜると体に良いものになります。
牛乳、バター、小麦粉で作るホワイトソースは牛乳を使った調理の中で最も優れたものです。
コーンクリームスープというのはホワイトソースの小麦粉をとうもろこしに置き換えたようなものです。
こうなるととうもろこしの100点とホワイトソースの100点で200点の料理になります。
もちろん自分で作れば200点のスープにはなりますが、そんな時間を掛けられません。 そこで簡単に作れる200点のスープを探して見つけたのがクノールの業務用コーンクリームスープです。 牛乳や生クリームを使わずお湯だけで作ります。
トップへ | 目次へおせち 2014/12/18
能登の実家では雑煮は丸餅ですが、金沢では角餅のようです。
どちらが縁起物として良いかと言えば当然丸い餅です。
おせち料理も健康に良いものというよりも縁起物つまり運気を上げるための料理です。
そこで、雑煮を含め、おせち料理に使いたい運気を上げる料理八品を選びました。
【雑煮】【生ハム】【数の子】【蒲鉾】【黒豆の甘煮】【レモンなます】【昆布巻き】【里芋の煮物】
なますはレモン汁とレモンの皮を加えて大根の酢の物を作ります。人参は入れません。
レモンの皮を使いたくなければ、レモン汁とゆずの皮でも大丈夫です。
里芋の煮物はすりおろしたゆずを散らすと開運になります。
ちなみに運気を下げる食材は人参です。 里芋の煮しめ、粕汁などには人参を入れる必要がありますが、それは毒消しのようなものなので一緒に煮るだけで食べないほうが良いです。
トップへ | 目次へふかしソース炒め 2014/12/25
首が冷えるとのどの血流が減少し、潜んでいた風邪のウイルスが騒いで風邪を引き起こします。
こういう冷えによる風邪の予防にはふかしと椎茸のソース炒めが良いです。
のどの血流を良くしてくれます。
いんげんを加えると気管支の血流も良くなります。
ソースは中濃ソースです。ふかしに塩分があるのでソースは少なめにしてください。
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